絶狼<ZERO>-DRAGON BLOOD-について | 北条明の世界

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絶狼-DRAGON BLOOD-

「絶狼<ZERO>-DRAGON BLOOD-」は、2017年に放映された、「牙狼」テレビシリーズの第7作である。
ファミリー劇場で放映、続いて劇場公開された「絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-」
の続編である。

 

自分は、牙狼シリーズは、テレビ放映しているものは全部見ているが、CSで放映されたものや映画は見ていない。

DVDを借りてまで見ようというところまで行っていないので、「絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-」も見ていない。

ただ、「宇宙船」とかで、制作されたことは知っていた。

 

実は、最初、この作品が前作の続編だという認識はなく、「BLACK BLOOD」の地上波初放送だと思っていた。

何故か全6話というのを知っていたので、6話で終了せず、7話が放映されることを知り、そこで調べて、初めて新作だということがわかった。

これくらいの関心度であった。

 

この作品の放送枠で、それまで放送されていたのが、第1作「牙狼<GARO>」のHDリマスター版であった。

それに続けて見たものだから、まず、最初の印象は、藤田玲氏、年をとったなってことだった。

しかし、見ていくうちに、違和感はなくなっていった。

 

涼邑零は、第1作の時から、とにかくインパクト、そして存在感があった。

第1作に登場したということもあって、主役を張れるキャラクターであるのは間違いない。

ただ、個人的な思いを言ってしまえば、やっぱり「MAKAISENKI」の直後くらいに制作して欲しかったなって感じがした。

「金狼感謝祭2016」を見たが、藤田氏は、明るく、人間味にあふれていて、とても好感が持てる。

鋼牙もそうだが、零も、本心を隠して、なかなか表に見せない。

ただ、普段、飄々としているところは、鋼牙とは違う。

この作品でも、そういう零の魅力がよく出ていたと思う。

 

他のキャラクターとしては、魔戒法師の烈花が登場する。

烈花は、「~RED REQUIEM~」、「~MAKAISENKI~」、「魔戒列伝」と、多くの作品に登場している。

演じる松山メアリ氏が、魔戒歌劇団の一員として、エンディング曲を歌っていることもあり、牙狼シリーズを代表するキャラクターになっている。

第11話で、アリスに対する策略っぽい意味でだが、零とキスをしていた。

零は、第1作で、恋人を殺され、その犯人を牙狼だと思っていた。

そして、軽そうにしていて、カオルにちょっかいを出しながらも、死んだ恋人のことを忘れられなかった。

烈花は、シグトが思いを寄せているけれど、烈花にその気はなく、あまり男に好意を寄せる感じじゃなかったので、ちょっと、これは唐突感があった。

今後、零と烈花をくっつける展開を考えているのだろうか。

ただ、それは、過去のシリーズをまがいなりにも見てきた者としては、受け容れにくい感がある。

なんか、「大岡越前」第14部の千鶴のようだった。

 

そして、今作のヒロインは、烈花ではなく、アリスである。

アリスは、久しぶりの、魔戒法師とかではない一般女性のヒロインであり、カオルを彷彿させるものがあった。

しかし、その行動原理に感情移入しにくいキャラで、「不思議ちゃん」の域を脱し切れなかった感がある。

 

他のキャラクターでは、バクラが、いい雰囲気を出していた。

また、竜騎士エデルを弓削智久氏、カゴメを芳賀優里亜氏が演じていて、「555」を感じさせるキャスティングだったが、魅力あるキャラになりきれてなかったのが残念だった。

 

今回、久しぶりに、鎧の召喚限界時間を示す砂時計が、また表示されるようになった。

「牙狼」第1作でも表示されていたが、戦いに緊迫感が出て、表示される方が好きである。

「母性」では、残り7.56秒くらいで、変身解除して、その後再変身した時に、99.9秒からでなく、引き続きの時間表示になっていた。

また、制限時間を超えると、「鎧に喰われる」と、以前から言われていたが、実際にどうなるのか(心滅獣身・絶狼になる)、どうすれば助けられるのかが描かれ、興味深かった。

 

エンディングテーマは、藤田玲氏が所属するバンドが担当している。

なんか変わった曲で、そこに出ている零がとっているポーズも妙なんだけど、不思議と頭に残ってしまう曲である。

 

ストーリーは、竜の謎と、竜の卵から孵ったループとアリス、そして、零との関わりを描いている。

最終回で、アリスは、竜と一体化し、そして消滅する。

そして、小さな竜の卵を残す。

零は、烈花やバクラの前から姿を消すが、卵を持って、今日もホラーと戦っている。

結局、零にとって、アリスとは何だったのだろうか。

 

いろいろな面で、もう少し、何とかなったのではないかと感じるところも多かったが、涼邑零の魅力を再確認できた作品であった。