イメージアップ戦略
劇場版 ポールプリンセス!!
昔のハードボイルド系米国映画のせいなのかポールダンスと聞くとどうしても場末の風俗でストリッパーが踊ってるって印象がある。それだけに擦れた娼婦のイメージが付いて回る訳だが一応は一流のサーカスでも披露されるエンタメであり今や国際大会も開かれるスポーツ競技でもある。この作品の主人公たちもクラシックバレエ経験者であったり器械体操選手であったりとパフォーマーとしてスペックの高い若者が集まっています。どうも懐かしのタツノコプロのオリジナルアニメで本編はネット公開されてるらしいが、この映画版は『バンドリ』シリーズのようにパフォーマンス自体を見せる事に主眼を置いているようです。そうとしか解釈できない程にドラマとしては取って付けたようで薄い。とにかく4人の女子がキャッキャうふふして最後に大会のステージパフォーマンスでガッツリキメてくれる感じ。まあ同じポールダンスを扱っていても平川雄一郎の『想いのこし』は女装でポールダンスのイメージを下げてくれたが今作は派手なパフォーマンスでポールダンスにポップでキャッチーなイメージを付けてくれた。それでもグルグル回ってるとケツの形が強調されるのでポルノ的イメージは付いて回る訳だが。
このアニメも明らかに3DCGでダンスをカッコ良く見せる事に注力してるタイプ。それぞれのパフォーマンスにはコンセプトがあり、それに合わせた衣装で踊る。チームの中にはレイヤーさんがいて皆のヒラヒラ衣装を作ってくれる訳だが、それを着て踊る姿を見ていると、どうしても職業病が出てしまう。この揺れ物はシュミレーションなのか手付けなのか。もし自分なら手付けを選びます。ポールダンスで逆立ちとかさせるとめり込みや干渉のリスクが高いから。そうでなくても低予算でない映像作品なら手付けを選ぶだろう。まあTAとかエンジニアが多い現場だとシュミレーションを使う事もなくはない訳だが。んな事を考えてるうちに全員のダンスが終わってしまった。とりあえず主人公チームと彼らが挑んだ相手である王者チームだけはガッツリとパフォーマンスを見せてくれるが他の出場者はモブだから静止画一枚とかで雑に表現されてます。このライバルがかつて主人公を罵ったのは「スペック高いのに一度の失敗で諦めたのが許せなかった」というスポ根お決まりの誤解解消。最後までドラマの方は取って付けた感がパないのでゲンナリさせられました。