映画『咲1』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

麻雀Vシネから抜擢

 

 

咲-Saki-

 

アニメ版蟲師シリーズや『LieLieLie』等で後に活躍する伊丹あきと組んだ卒業制作『チャンスコール』では後の活躍が期待された小沼先輩だがギャンブル系のVシネばかり撮り続けて最近になってやっと商業第一線にやって来た。やはりVシネのキャリアからして麻雀といえばこの人って事で割と有名な麻雀マンガの実写化を任されたって所だろうか。まあ大ヒット麻雀アニメの実写化とはいえ、このマンガって一種のファンタジー超能力バトルって位に本来の麻雀の常識を無視しちゃってる訳だが。

 

それにしても第一線にしては映像的に中途半端で稚拙。元のイメージを大事にするかリアル方向に舵を切るか中途半端ではチープなコスプレパーティにしかならない。ステージセットに安っぽいステンレス感があり情景ショットには清涼な世界観とのズレがあり牌にはプラスチック感があり制服にはコスプレ感。照と咲の共通点である前髪の微妙に丸まった跳ね方もマンガの世界観を尊重するならちゃんと再現しなきゃ。むしろマンガ的路線で行くならグリーンバックで撮って背景はCGで描いちゃった方が違和感なくなるだろうに。そうでなくリアルに振るならコスプレ止めさせてデザインが似た学校の制服を衣装にしてセットにも汚し入れなきゃ。それとステルス桃ちゃんをスカウトするシーンはシルエットで隠れさせるとか映像的な工夫次第でもっと違和感なく演出できそうなものだけど、その手の周到な上手さは三池にしても本広にしても山口雄大にしてもウチの先輩には期待できない所。