映画『レディプレイヤー1』の感想 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

サブカル詰め合わせ

 

 

レディ・プレイヤー1


ダンスフロアでヒロインがゾンビからゾンビへと飛び移るシーンのゆらゆら感は正にスピルバーグならではの立体感覚に優れたサスペンス感があり、この揺れを4DXで体感できるとは嬉しい限り。ただスピルバーグ作品ならではのトラックアップで高揚感を煽る手法は少し広角気味のレンズを使わないと効果が弱いので、どうしても彼の作品は焦点距離が長いショットが多くて3Dには向かない。あまりに飛び出す効果が微妙過ぎて立体メガネが壊れたのか自分の目が悪くなったかと疑いたくなったが、キューブリックの『シャイニング』の世界を再現すべくちゃんと望遠気味のレンズでボケ足のある絵を撮っているシーンでは3Dもきちんと効果を成していた。そもそも分り易く正面に飛び出たオブジェクトを配置するような3Dへの配慮が見られない所から察するに3Dで公開する事を意識しないで撮られたのではないだろうか。

 

支那が泥棒なら鬼畜米は強盗。安全保障をちらつかせる事で核で脅し売国奴安倍晋三のようなクズ政治屋どもを買収し我々日本のクリエイターに著作権を放棄させ奴隷化すべく市場に圧力をかけ続ける。この作品のように多くのコンテンツを含み莫大な著作権料のかかりそうな作品では大抵の場合、横の繋がりでメディアミックスによる宣伝効果というメリットで吊って許可を得る訳だが、そのスタイルも政治が手を入れる事により既得権者の強欲が優先され作り手の意図が尊重されなくなり大きく後退するだろう。このまま売国外交を続ければコミケも二次創作は摘発のリスクが上がり生まれるはずの文化の種が毟り取られる。オタクVS企業というこの作品の構図はクリエイターVS既得権者とも置き換えられる現在進行形の問題の一面。若い才能を"今だけ金だけ自分だけ"の既得権者に潰されぬよう我々オタクは工夫を凝らして同類と繋がり、めくらつんぼの既得権者どもから文化を守り作り発展させ続けているのだ。その意味でマスコミを扱った前作以上にリアルタイムな社会性を捉えてると云えるし我々クリエイターにとっては他人事じゃない題材。

 

いきなり冒頭から懐かしのヴァンヘイレンで始まり『ピクセル』を思わせる懐メロのオンパレード。アバターとして懐かしの様々な映画やゲームのキャラが登場しヴィジュアル的にもオタクノスタルジー狙いで楽しませつつも相変わらずハラハラさせる見せ方も上手い。ヒロインが敵のアジトでログインしたり主人公がカーチェイスしてる車の中でログインしたりギリギリの危険な戦術と謎解きの繊細さが相まってダイナミズムを生む。スピルバーグ映画の魅力は未だに衰えを知らない。キューブリック脚本の『ai』にしても『マイノリティリポート』にしても彼が描く未来像自体も細部に至るまで妙に説得力がある。きっと発展の根底にある人間の業と欲望をちゃんと理解しているからだろう。ちなみにスコアの方は今年のゴールデンウィークの売れ筋たる『アベンジャーズ3』も今作も両方ともゼメキスの相棒シルベストリ。タイムスリップはしなくともデロリアンがシルベストリの音楽をバックに走るのを再び見る事になるとは感慨深い。どうやら4作目の噂はガセだったみたいだし。