映画『ダイブ』の感想 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

腰に悪いセックス

 

 

ダイブ!!

 

北京オリンピックを目指して飛び込み選手たちが頑張るお話。ダイビングという地味な競技をリーフェンシュタールの『民族の祭典』よろしく派手なクレーンワークで縦横無尽に動き回るカメラがエキサイティングに演出。商業的でポップな映像作りではあるけど最近の青春映画にしてはシリアス路線。エリートと野生児と天才児という設定の主要人物3人が、それぞれに心の奥に抱えたイチモツを競技の中でしっかりと描き出している。その簡潔にまとめられた青春の悩みには、とても好感が持てました。勝つ度に孤独になってしまう個人競技。エリートは熱くなる事、そしてコーチでもある父との親子らしい関係を望む。野生児は祖父を競技にひきつけ続けた魅力を知る事を望む。天才児は普通という枠をぶち破る事を望む。

 

それぞれの挫折はどれもシリアスに描き込まれているのだけれど、ちょっとばかり早々にマジモードに入り過ぎて観客を置いてきぼりにしてる感がある。天才児がほったらかしにしていた恋人を弟に奪われるシーンはシャウトし過ぎだし、エリートがコーチでもある父への反抗は距離感が曖昧で、野生児の故郷に帰ってからの心境の変化は意外に幼い。私もアラサーともなるとセックスをした翌日には腰痛に襲われる事があるけれど、腰を壊した選手がひと夏の間中、恋人とセックスばかりしていて腰に悪くないのだろうか。騎上位で女性側に腰を振ってもらっても腰への負担は避けられないはずだが。案の定、帰って来ても腰は治っていないようだ。やはりセックスのし過ぎでしょう。塚晋の『東京フィスト』よろしく窓に小石をぶつけて怒鳴ってやりたくなります。「セックスしてんじゃねーよー!」