映画『アニメミライ2015』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

かわいい路線

アニメミライ2015

 

セネガルのドゥドゥンジャエローズのように世界的に知られるパーカッションの王者でも打楽器のみの演奏で食っていけるミュージシャンは少ない。その数少ない成功例は日本では"鼓動"あたりだろうか。そんな地方の伝統的パーカッションを生業にしようとしてる女性の帰郷を描いた"アキの奏で"にこの年のアニメミライは幕を開ける。やはり掴みは世相を反映させる意図があったのか地方創生で合併や復興事業の影響を感じさせる。ってえか闇の部分は全く語らないって視点からすると少なからず御上のプロパガンダ的な意図も見える訳だが。ちなみに都心に住むクリエイターの実感としては地方でも仕事ができる環境になったとはいえ、やはり現状では仕事ができる人材は残念ながら都心に集中している。よく私はカッペをバカにする訳だが別に地方で生まれても地方で活躍してる奴はリスペクトしている。つまり生まれ育ったコミュニティを大切にしない奴は地方だろうと都会だろうと軽蔑するってだけの事。偶然都心に生まれ育った私は自分の得意分野で地域にも貢献できるが地方出身者も自分の故郷に対して貢献できるならそれに越した事はない。そんな訳でアキちゃんも都会で無理してバイトしながら公演するより地元で演奏してYOUTUBEとかで拡散する方が成功への近道に思えた。

 

この年のアニメミライは割と可愛い作品が多い。クライマックスを飾る老舗虫プロ作品に至るまでマッチョなアクションはなく基本的には日常系のノリ。その中には最近TVシリーズ化された"音楽少女"もあった訳だが、この作品で描かれる3人はTVシリーズでは数多いメンバーの脇に埋もれていてあまり目立ってない。いわゆる音痴ネタはTVシリーズの主人公と共通してる訳だが。それにしても露骨なまでに百合要素とサービスショットが多い。ルームメイトがひとつのベットでくんずほぐれつじゃれ合って仲良き事は美しき事と思いつつも、これが男だったら地獄絵図。元々キャラソンを中心にしたメディアミックス企画が、こういった御上の企画を利用するとは文化事業もビジネスツールとしてちゃんと役立つ段階へ来たのかと個人的には肯定的に捉えている。やたらと非営利にこだわる奴は無能の詭弁である事が多い。だからこそ文化事業を利用して商業的に露骨にキモブタに媚びる戦略も若手のスキル向上には充分に役立つ。どちらにせよ、この年のようにカワイイ日常系が多い方が目の保養にもなるしね。