映画『天才スピヴェット』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

天才スピヴェット

 

 

鬼畜米メディアは問答無用でぶん殴れ

『エイリアン4』でハリウッドに嫌気がさし2度と米国では撮りたくないとぼやいていたジャンピエールジュネが再び米国を舞台に英語で撮ったフランス映画。米国社会のクソっぷりが露骨に皮肉られていてなかなか笑えます。モンタナの人里離れた農場に生まれた天才児が発明品の設計図がワシントンの学会で高く評価された事から始まるワシントン行きロードムービー。この主人公の父は典型的な昔気質のカウボーイで母は昆虫学者。姉は女優志望で早く田舎を離れて上京したがっている。だが彼女が憧れる都会の実状はそれほど憧れる価値のある物だろうか?この少年に賞を与えた学会関係者は名誉欲の塊のようなオバちゃんで、そんな大人の姿が都会のノーマル。アカデミズムもメディアも低俗な見世物小屋として消費され誰も学術的な内容に興味を持たない。それが少なくともジュネ自身から見えた米国社会の姿なのだろう。だが同時に地域に根差したトランプ支持層のような草の根の米国人的な認識にはシンパシーがあるようです。つまりは反ユダヤ資本で反連邦的設計主義。

 

人工国家としての鬼畜米イデオロギーに常に懐疑的でいられる有機的な米国人の存在。自由民主主義によって退廃した道徳観に問答無用で拳をブチ込みたい気持ちは欧州人と変わらない。この主人公の家族の営みこそが価値であり愚民メディア先導的な連邦の価値観はゴミ。いらない。デモクラシーなんてケツにでも突っ込んどけ。いやはや『ビッグバグ』も性根が腐り切った現代的なコンプラに見事に蹴りを入れていたが今作もネオリベ的価値観に腐った鬼畜米社会にワンパン喰らわせてくれます。TVスタジオでの家族の行動は姉から見ると「頭がおかしい」と云われるが少なくとも私から見れば実に正しく聡明な判断故の行為に思えます。そりゃウジムシがいたら叩き潰したくなるでしょ。うじゃうじゃと富や名声に群がる自由民主主義者というウジムシ集団が息子に群がっていたのだから本能的に殴るでしょ。この連中には常識や合理的対話は通用しないのだから。ただ我田引水の為に屁理屈を捏ね繰り回すしかできない利己的な害虫を人間扱いしてやる必要はありません。もし息子が理解者を得てそこに残りたいなら止めないが息子を食い物にするウジムシの巣窟から出たいと本人が云うなら、とっととウジムシ駆除して帰るのは当たり前。鬼畜米の設計主義的文明は世界中の文化を蹂躙する人類の敵なのだから真っ当に生きている庶民は抵抗して当然なのです。