映画『兄との約束』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ソン・フレール/兄との約束

 

 

流れ込む血液

 

血液中の血小板が急激に減少する難病にかかった兄。

小さな傷でも瘡蓋を作れないので、止め処なく出血する。

医者にもその原因が解らず、通院と入院を繰り返す。

親は放任ぎみ。介護疲れした恋人は彼の元を去ってゆく。

そんな彼を淡々と介護し続けるバイセクシャルな弟。

二人の間に渦巻く様々な感情が露骨に表面化してゆく。

 

毎回新鮮な感覚を与えてくれるシェロー作品だが

今回は例えるなら、それまで圧迫されていた血管に

一気に血液が流れ込んでくる様な感覚があった。

毎度の事ながら感覚的には周到に組み込んであるが

話作りとしては基本無視で、特にこの作品は破綻寸前です。