映画『ニーナ・ペトロヴナ』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ニーナ・ペトロヴナ

 

 

女性は共有できない

 

あまり知られていない話だが、マルクスは若い頃に書いた論文で女性の共有を説いたとか。もしも今だったらフェミニズム団体にボコボコに糾弾されちゃいそうだ。女性は商品じゃないんだから。結婚だって長期売春だから全ての女は娼婦だみたいな変な極論をブチかます輩は一体何を持って人権を理解できているのだろうか。そりゃあ人間同士が関ってりゃ、必然的に利害関係は発生するさ。こんな正直な事を云っては生まれつき不細工な奴には悪いけどブスは抱きたくならないし性格ブスとは付き合いたくもない。個人的経験上で云えば顔が不味い奴に限って性格も歪んでいる。そんな奴らは当然差別します。恋の対象にはならないって形で。そーゆー関係の選択には互いを気に入るかって利害関係しかない。金銭が絡んだ事情が発生したってセックスは無償だったりする。

 

ここで描かれるのは典型的な三角関係。人妻と恋に落ちた若者。妻を取り戻そうとする夫。皆本気で愛しているから悲劇を招く。投げられた花が何とも悲しい。夫が云う通り女は共有できない。シュワルツ作品じゃ『狂乱のモンテカルロ』よりもこれが好き。それぞれの感情のすれ違いが悲しい。個々の優しい思いやりが悲しい嘘をつかせる。確かにこの感情は商品化なんてできない。