映画『太行山』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

太行山

 

 

反日ではなく抗日

 

壮絶な戦闘の後、少女が生き残った日本兵を治療しようとすると刺殺される。

こんな所にも反日の風潮が出てるかと思ってたらそうでもない事に気が付く。

あくまでも強敵としての日本軍を描く為に、絶対捕虜にはならず討ち死にする

日本人の勤勉な統制や武士道を戦闘の迫力を増す為の要素として扱っている。

戦車に踏み潰され銃剣で刺し違え武器を失ったら噛み付き生き残ったら切腹。

日本側の真剣さに対する敬意すらも感じる。ただ、映像的には安っぽさがある。

質感のないCGやクレーン多様の戦闘場面。気の弱い兵士が上官の怒りをかって

生きたまま焼かれるシーンなんて映像だけじゃなくて演出自体が不自然です。

 

この頃の中国は国民党と共産党が争っていたが、その隙に北部に侵攻していた

日本軍に抗う為に協力して戦った。反日本に傾いたその風潮は抗日と呼ばれる。

今の反日とは意味が違う。"抗う"とは強い敵に対する支配を拒絶する為の行動。

双方とも強敵との闘いだから互いに極限まで非情になり残虐行為も辞さない。

その壮絶さをアクションエンターテイメントにしちゃう軽さには好感を持った。

少なくとも『日本鬼子』みたいな日本の似非左翼より被害者である中国人側が

描いた視点の方がよほど冷静です。『鬼が来た』にしても世代の断絶故なのかな。