新感染半島
ファイナル・ステージ
論理なんてクソ喰らえ
前作で目指した釜山を含め朝鮮半島全体が汚染され生き残った韓国人は難民として中華圏に逃げ伸びたという設定で登場人物も前作とは全く違います。マフィアが国内に残した大金を回収する為に再び朝鮮半島に踏み入った元軍人が今回の主人公。彼は脱出の際に姉と甥っ子を失って半ば自暴自棄になっている。そんな彼を生き残った姉の夫が誘って再びゾンビに溢れる朝鮮半島へ潜入。半島は全滅していると思われたが、そこには僅かに生き残って自衛する人間たちも残っていた。この作品の何が爽快かって子供たちが玩具を使ってゾンビを翻弄し逃げ伸びて逞しく生きてるって所。古い世代には玩具にしか見えない物が今では生存の為に重要な道具。今シリーズのゾンビはまるでマジョリティ故に愚民民主主義を先導し反知性主義的で臆病で卑劣な言動を繰り返すエゴイスト老害を象徴するかのようであるだけに、それを若い世代が駆逐してくれる様は何とも爽快なのです。ここでは他にも生き残ってる組織があって彼らはゾンビをギャンブルに使ったりして享楽的に生きている。そいつらが云わば悪役で、それに対し弱い立場に置かれている女子供が最も勇敢に戦っているという構図が愚民化した老害大衆や愚劣なホモソーシャルに抗う新しい世代って感じで好感が持てます。
そして最後に提示される「理屈ではない」というメッセージ性。既得権に恋々としがみつく無能世代は屁理屈ばかりを並べポリコレ棒を振り回し我田引水とお為ごかしと誤魔化しで下の世代を篭絡搾取しようとばかりするが故に連中の論旨には常に冴えがない。そんなものは義がなく筋の通らない屁理屈なのだ。そんな戯言に惑わされてはいけない。この手の理論武装に対しては相手にせず問答無用で叩き潰して構わない。クズの論理に価値なし。あくまでも何も云っていないに等しい言葉でお茶を濁しながら寝首を掻こうとするゴキブリ老害は瞬時に見分けて叩き潰すに限ります。そういった意味で理屈ではない惻隠の情こそが若者を救います。そのテーマ性に至る伏線はイマイチ貧弱で御都合主義的展開にも見える訳だが力技で納得させてしまうのがヒュンモクの『誤発弾』の時代から韓国映画の凄い所。
