映画『ルパン三世VSキャッツアイ』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ルパン三世VSキャッツ・アイ

 

 

フェイシャル不足

最近の『劇場版シティハンター』にも登場した"キャッツアイ"が今回はルパンとコラボって事で興味を惹かれて拝見。我々の世代からすればモンキーパンチは勿論ながら北条司マンガってのも微妙に古くてリアルタイムでは"こもれ陽の下で…"やそれに連なる短編をいくつか読んで後から単行本でチェックしたので実はTVアニメ版についてはあまり知らない訳だが天下のジャンプ様だし日本の少年誌のハードボイルド系としては代表的なコンテンツなのだろう。キャッツでは個人的に"ねずみ"というキャラが気に入っていて後の冴羽寮の元ネタなのではないかと思ってキャッツ関係のアニメを見る度に彼の登場を期待するのだが残念ながら今の所このキャラはアニメで見かけた事がありません。キャッツの父親に当たる画家が過去に若い頃のルパンと関わっていたという設定でキャッツ三姉妹を描いたとされる三連作に隠された因縁の宝石を巡ってアゾフみたいなネオナチ相手に暴れ回る。この手のコラボによくあるパターンで泥棒対決ってより共闘路線。意外にルパンよりもキャッツ側が目立っていました。

 

それにしても最近のアニメは3DCGっぽさを隠そうともしないタイプがやたらと多くなりました。この作品にしても銭形の歩き方とかを見ていると山崎貴の『ルパン三世FIRST』のモーションをそのまま白組さんから拝借したんじゃないかって感じ。いわゆる3DCGをトゥーンでセルっぽくレンダした絵ってのは最近じゃ、それ自体は見分けがつかない位のクオリティではあるが動くとセルアニメにはない特徴がやたらと出てしまいます。それなりにハイバジェット案件ならモデルに歪みを入れたり色々と工夫して動きもセルっぽく加工する所だが、どこも不景気なのかスタントマン雇ってモーキャプで一通り録って流し込んだデータをモーション担当がちゃちゃっと修正加工する程度で商品化しちゃってます。これが人件費的には一番安い。そんで爆発エフェクトとかもフルイドで既存のサンプルデフォ状態に色を付けた程度。実に安上がりです。ただモーキャプでは表情は動かせないのでフェイシャルだけは手付けしなければならない。ところが今作は不自然なまでに真顔が多い。つまりデフォ状態からフェイシャルに手を入れる余裕ないまま出しちゃったって感じ。これよく通ったな。ウチなら通しません。ジャパニメーション業界もコロナに敗けて今期は前例ない程の数が落ちちゃってるだけに今作の手数の少なさには業界の逼迫状況を感じてしまいます。