2016-08-20の投稿
清須会議
折衝術ぱねえ秀吉
本能寺の変に始まり豊臣秀吉が政権を乗っ取る過程を描いたコメディ。ただ三谷幸喜作品にしては前作までより少々なんちゃって度が低い。つまり歴史モノとして結構マジメに扱っている。いつもの設定に違和感さえ感じさせるアドリブとしか思えない悪ふざけはあちこちにある訳だが。特に前作『ステキな金縛り』で呪縛霊として登場した西田敏行演じる六兵衛が生きてる人間として登場しているのには笑った。ドラマとしても仕掛け合いの面白さで引き込んでくれる。権力の足場を固める頭脳戦。誰を味方に引き込むかで優劣が揺らぐ。そこに登場する人物が皆、豪華キャストだからこそ成立しているって所もある訳だが。そんな中で大泉洋演じる豊臣秀吉が『利休にたずねよ』でも人誑しと云われるだけの折衝術と大胆な発想の転換で戦局を逆転してゆく。あえてすっ呆けて自分の暗殺を命じた相手に擁護を頼む辺りなんて思慮深くかつ迅速で大胆な戦法に感心してしまう。こいつが主人公でありながら腹黒い悪役でもある。まあ政治家って人種はいつの時代も腹黒い訳だが。