2018-05-06の投稿
海炭市叙景
ガス屋
廃れ行く函館の造船都市を舞台にした群像劇。組合でいくら闘争したって需要がないんじゃ存続するはずがない。それぞれ微妙に交わりながらも独立したエピソードがカットバックされる作りになっているが、その中じゃガス屋のエピソードが一番気に入った。そこには義理の子への虐待あり不倫ありで実に重苦しい感じがいかにも熊切作品。彼の作品は『フリージア』みたいに完全にマンガを原作にした作品ですらも実写に説得力を持たせるだけの重みのある描写に変える。その正統派で硬派な実力のある作風が気に入っているが今回は娯楽性が低い。