『課外授業』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2019-12-31の投稿

課外授業 暴行

 

 

さよなら日本

 

瀬々敬久のデビュー作。卒業間近な不良高校生たちが教師に対し美人局を仕掛けて恐喝する所から始まりヤクザや海外マフィアの抗争に巻き込まれて七転八倒するという瀬々作品にしては何とも安っぽいノワールポルノ映画。近年の作品のように登場人物の心情を丁寧に追う事はないが物語の構造自体がメッセージを発してるという意味では一貫しています。ヤク中のヤクザが日本人はアメ公の情婦になったオカマだと嘆く。その態度は果たして米国に対してだけのものだろうか?

 

ヒロインを誘拐したヤクザ達に組長から下されたのは突然の手打ち宣言。韓国ヤクザや台湾マフィアを相手にしても徹底抗戦を放棄して融和を演じて見せる日本人。敗北を隠す誤魔化しでしかない。プライドを守る為に友情を装っているのだ。そのみっともない態度を続ける限り日本人は永遠に負け犬であり続ける。ここに登場する情けない日本人の男どもは人として完全に中国人娼婦に劣る。「good luck,Japan」と最後に吐き捨てる彼女はまるで今の日本の没落が想像できていたかのようでもあります。まあ平成30年間の衰退は敗戦国としての当然の帰結だけに当時から充分に予想できた事。誰もが目を背けたがる事実を語ったに過ぎない。メッセージとしての実直さは見事な訳だが、さすがに最初の作品ともなるとバジットと人材力が限られているだけに細部には稚拙な演出もあったりして完成度としては彼の作品にしては高くありません。