『死ぬまでにしたい…』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2005-12-01の投稿

死ぬまでにしたい10のこと

 

 

神のみぞ知る

 

もし不治の病で後2ヶ月の命だと医者に云われたら、自分ならどうするだろうか?

とりあえずコンドームを使うのを止めるかな。育てられなくとも種を撒いておく。

そんな無責任を相手が許してくれればね。でもこのお話の主人公は女性だから

今更仕込んでも間に合わない。それに既に2人も娘がいる。仕込んだ夫は初恋の人。

父が犯罪者という不幸な家庭に生まれながらも、理想的な結婚生活を送っている。

仕事や家事や子供の世話の心配をひとり背負い込んだ何とも心残りの多い状況です。

余生は後先考えないとはいきません。家族にさえカミングアウトせずに抱え込む。

言葉にするのも再認識させられて辛いだろうけど、抱え込むのはもっと辛いはず。

でも彼女は、あえて抱え込む事で誰にも知られずに不倫という背徳を犯します。

 

ダイエット中毒の同僚とか主人公の決断とかリアルにさり気なく悪意を匂わせる

女性達の血の通った描き方が気に入った。アルモドバル自身が監督した作品は

登場する女性に皆血が通い過ぎていて、血管浮き出ちゃってる位のトーンだけど

この作品は製作として関わったせいかバランス良くその味が薄められています。

さり気なく口ずさむビーチボーイズの曲も気に入った。確かこの曲ベスト盤には

入っているけど、他のヒット曲に隠れちゃっていて今まで陰が薄い印象だった。

"GodOnlyKnows~神のみぞ知る"この作品を見た後にこの曲を聴くと実に沁みる。