『昴』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2010-03-10の投稿

昴-スバル-

 

 

めいさとくらら

 

偶然にも過去に私が別件でご一緒した事のある女優さんたちばかりがメインキャストに集まっていたので拝見。それぞれの役柄が素のキャラに合ったなかなかナイスなキャスティング。一方的にキスをされて「よく分かんないや」と笑うサックとした人の良さは正に素の黒木メイサ。ライバルを求めるくらら。けだるくも本当は熱い桃井かおり。それらの芝居に救われたリーチーガイ。彼の作品を見るのは実に久しぶりです。馳星周の映画化以来、久しぶりに日本に戻って来たと思ったら、今度は曽根マンガに挑戦。相変わらず日本語が下手な外人キャラを上手く使ってはいるけれど、今回はあまり在日というアイデンティティを強調してはいません。

 

リーチーガイ作品はドロドロしたノワールと爽やかなドラマの2パターンの作風を交互に使っているけど、この監督に関しては私は爽やかパターンの方が圧倒的に気に入ってます。本来、この物語は嫉妬と憎悪が渦巻くバレーの世界を絵使っているのでドロドロした内容になりそうな所だが、それを爽やかに料理した事には好感が持てました。ちなみに劇中で『愛と悲しみのボレロ』で知られる昨年亡くなったベジャールのダンスにオマージュを捧げているようだけど、皮肉にも『デスペラード』の冒頭を思わせるメイサの模倣の軽さを見て本物ベジャールの舞踏の重さや、そこに人生そのものを込めたルルーシュ監督の意図を再認識させられました。