2005-02-14の投稿
スウィートホーム
心の力を私にください
日活ロマンポルノ出身のホラー監督、黒澤清の初期作品。
伊丹十三が製作総指揮として口を出しているせいか
黒沢ホラーにしてはとても解り易い内容になっている。
我が子を失った母の亡霊に憑かれた館が取材クルーを襲う。
下半身を切り落とされたり、顔が溶けたりなかなかエグイ。
ただ、その強烈さがあって思いの強さを感じさせられる。
同じくロマンポルノ出身の中田監督の『女優霊』にしても
近年の黒沢作品にしても、死者の情念を超える不可解さ故に
カルトとカテゴライズされるが、純粋に怖がらせる事のみが
目的のホラーならば、意図的に話の筋を通らなくする
という方法もあって然り。むしろこの作品は、解り易く
死者の気持ちを伝えたスプラッターの表装を持つ感動作。
純粋なホラーとは呼び難い。黒沢らしくない作品です。
