『新宿事件』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2020-06-02の投稿

新宿インシデント

 

 

支那人ヘイト

 

竹中直人とジャッキーの共演で有名になったイートンシン作品。題名を見ても分る通り物語の舞台は東京。当時は馳星周も「今日日、新宿はヤクザでも怖くて歩けない」と云ってた程にアジア中のマフィアが幅を利かせていた平成初期。日本経済の凋落と共に儲からない国と化した日本からは多くの外人マフィアが手を引いた訳だが、それと同時に在特会等のヘイトスピーチが盛んになった。もし平成初期にヘイト運動をやっていたら桜井誠氏みたいな堅気もマフィアに八つ裂きにされて東京湾に浮かんでいた事だろう。いなくなった相手に対してだけ強く出るのは日本人の悪い癖。今作の中でも既に日本人ヤクザの発言には支那人ヘイトが満ちている訳だが、さすがに当時の日本人は堂々としています。この作品はアクションコメディを期待するジャッキーファンには不評だった訳だが、そりゃイートンシン作品なのだから、むしろノワール文芸系を期待して見るべき作品。今作のジャッキーは幼馴染を追って渡航した不法移民。下層労働現場で在日支那人犯罪者たちの信頼を得てヤクザとして伸し上がってゆく。

 

ここで描かれる犯罪行為は後にヘイト団体が支那人を叩く論旨として繰り返し使われています。ただヘイト団体の多くは自分より強い相手には口を出さないヘタレが多いので日本経済が中国に追い抜かれた最近じゃ支那人をチャイナと呼び換える国辱ゴミウヨも多い。マトモな言論人なら中国人か支那人かどちらかで統一しています。この時代から日本人には支那人に対する侮蔑と嫌悪感情がある訳だが竹中演じる刑事や加藤演じるヤクザなど優秀な中国人は素直に評価し義理硬い立派な日本人も登場します。この手の日本人が活躍していたら日本もここまで凋落する事はなかったでしょう。あまりに無意味に支那人を見下し嘲笑する卑しい豚のような敗戦利得者層が日本社会の中心を牛耳り続けたので、この手のマトモな日本人は日本に愛想を尽かすのです。