2018-07-17の投稿
ヒトラー暗殺、13分の誤算
政治という病
テロリズムは許し難い犯罪。首相を暗殺しようと試みて8人もの命を奪ったテロリストが後に英雄扱いされるなんて異常。鬼畜米とユタどもの洗脳が価値観を歪めている。このエルザーなる人物をヒロイックに扱う事はそんな歪みの一端。「汝殺すなかれ」という神の戒めに背く行為。彼はヒトラーと同様に大局の為に一部を犠牲にしようとしたのだ。ドイツの敗戦を防ぐ為にナチス指導部を殺す事もドイツ繁栄の為にユダヤ人を大量虐殺する事も同じ穴の狢。巡り合わせ次第では彼がヒトラーになっていたかもしれない。ユタどもの裏切りやフランスからの圧力は限界までワイマールのゲルマン民族を追い詰めていたのだから誰が暴発しても不思議はない。ナチスは理不尽に虐げられたアーリア人から自然に噴出した大衆の憤怒の総意なのだ。その台頭の過程では様々なプロパガンダや強硬手段で大衆を欺いたりもしたが、ナチスの思想に共感し得る所がなければ誰も黙って騙されはしなかっただろう。そのヘイト感情は現在の保護主義にも通じる所がある。そんな不気味さこそヒルシュビーゲルが狙った問題定義にすら思えた。
物語は暗殺失敗から始まり拷問まがいの尋問の中で回想形式で彼が暗殺へと駆り立てられた動機や手順が語られる。どうしてもナチスは彼が単独犯であるという事実を信じたくなくて陰謀説に押し込める為に真実を歪めようとする。どんな政治家でも普段ノンポリな顔をしているサイレントマジョリティを敵には回したくないのだ。それはつまり国民の敵とみなされるリスクを孕んでいるから。コミュニストや連合側のスパイか、それに洗脳された可哀想な捨て駒としておいた方が政権にとっては都合が良い。ヒトラーが救おうとした真面目な労働者が自発的に彼を殺そうとする事は政治家としての思想的敗北を意味する。だが実際には彼のように造反する人物もいる。その動機は時代の空気が醸成したナチスとは違うもうひとつの流れなのだろう。どちらにせよエルザーが個人的に抱く不満と焦燥感はヒトラー台頭以前の一次大戦敗北による挫折感と貧困が生み出したものであり、それを払拭すべく政権をとったヒトラーを怨むのは筋違い。第二次大戦の結果を知る我々の先入観抜きで見れば彼の使命感はパラノイアに過ぎない。DVに苦しむ人妻に恋をしてアルコール依存症の父に嫌悪を抱いて本来なら総統の思想に共感し身近な人間を救い音楽の才能や技術的な才能で勤勉に稼ぎ納税する事で愛国心を示す生き方をすべき人間だった。その意味で彼は精神病だと云える。ポリティック(政治)という名の病が彼を蝕んだのだ。ヒトラーもまた然り。