『祝宴!シェフ』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2021-12-20の投稿

祝宴!シェフ

 

 

美食バトル

 

台湾のユーシュンといえば若い頃に新鋭として人気があったが、いつの間にか聞かなくなって完全に忘れていたが最近になって復活したようです。こいつの作風を日本映画界に例えるなら松尾スズキって所だろうか。てな訳で今作に手を出してみたが相変わらずポップな演出でド派手にかましていました。ジャンルとしては美食バトル活劇コメディ。ヒロインは伝説の料理人の娘として生まれながらも魚が苦手で逃げるように上京してモデルになろうとしている。だが彼氏が夜逃げして裏書きしていた彼女は借金取りに追われて帰郷。同時期に実家の母も借金を抱えて夜逃げ。そんな訳で親子二人で隠れて小料理屋を経営し始める訳だが、そんな二人の元に父の料理の価値を知る料理ドクターが現れたり父の料理を食べたい老人たちが現れたり借金取りに見つかったりしてすったもんだの挙句に成り行きで料理バトル番組に参戦する羽目になる。

 

とにかく、やたらとCGを使った過剰表現に満ちたコミカルな演出をしていて『まごころを両手に』を思わせるようなキュートな印象があります。かつてミスター味っ子ってマンガでは美味しさの表現として火山が噴火したりしていたが今作でも宇宙に飛んで行くみたいな表現とか過剰表現のオンパレード。そもそもヒロインの心象表現にしてもメルヘンでファンタスティックな世界観を見せたりして退屈させません。カプセル怪獣を名乗るオタク3人組やノリが良い借金取り2人組など脇の人物がやたらと親切で人情喜劇っぽい心地良さが残るドラマ。その一方で最初はヒーローに見えた料理ドクターがヒロインのライバルとして立ちはだかったり運命が皮肉な方向へ進んだりもします。ちょっと甘口のようで少しスパイスが効いていて美味しく頂けました。