『ザ・ナショナル・トレジャー』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2019-12-31の投稿

ザ・ナショナル・トレジャー

 

 

エルヴィスとイワン雷帝

 

配給側はニコラスケイジ主演のハリウッド映画シリーズへの便乗を狙ったかのような邦題。国家の遺産とはいってもこっちはカザフスタンの話。不老不死の力を持つ生命の泉を巡って個性的な面々が珍道中を繰り広げる冒険物ロシア映画。旧ソビエト連邦時代の領土は未だに俺の物根性剥き出しのロシアならでは。エルヴィスに憧れる主人公が騙されて徴兵された軍隊から逃げ回りながら考古学者の家系のヒロインと共に宝探し。このヒロインが容姿的にあまりイケてなくて、むしろ悪役のボスの方がエキゾチックなルックスで悪女な所とドジっ子な可愛い所が両立していてイケてます。そいつらがスピルバーグの『インディジョーンズ』を模したような冒険をする訳だが、むしろベッソンの『アデル』みたいに群像コメディとしての面白さに比重が傾いています。

 

カンフー使う仙人みたいな爺ちゃんとか自分は宇宙人の息子だと思い込んでる青年だとか変なキャラが合流して来る楽しさで引っ張ってる感じで宝探しの冒険アクションとしての品質は高くありません。その舞台設定も基本的にひとつの湖の周りに集中していて謎を解きながら湖の周りを行ったり来たりって具合なので世界中を飛び回って様々な文明に出会うってタイプを期待してはいけません。ただ古代カザフの遺産を巡る話だけあって中央アジアならではのエキゾチズムはアルメニアのパラジャーノフ映画等を連想させられます。ちょっとばかしわざとらしいシーンも多かったが追いかけられて飛び込んだ劇場で主人公がイワン雷帝を案じる件はなかなか笑えました。