藤沢市と茅ヶ崎市では市境問題がある。以前から陳情が続いている。陳情は茅ヶ崎市域の湘南ライフタウンやよい会自治会から提出されたもので、湘南ライフタウンの整備に当たって1971年に藤沢市と茅ヶ崎市で取り交した協議書に定める市境に即時変更について市長に対し要請書を提出したので議会としても市境変更に向けて協力してほしいというのが委員の意見である。

「このやよい会自治会の区域は、当初の市境変更予定線では本市に編入されることになっており、住民の方々にとって長い間約束が守られない状態が続いていることについては、十分理解する。しかし、1992年に両市で取り決めた『両市境界は、当分の間、現行の市境界とし、境界変更は、広域的な行政協力のあり方とあわせ、継続協議する。』という覚書の背景には、両市の種々の努力があり、結果としてこれが実らずに今日まできてしまったということである。両市の見解が異なるので正式な議題として協議の対象とすれば事態の進展は難しいと考えるため、市当局において何らかの機会をとらえ、茅ヶ崎市側と意見交換あるいは見解のすり合わせなどの努力をしてほしい。しかし、正式な意思決定を行う議会としては、現段階ではこの陳情に賛成することはできず、残念ながら趣旨不了承とする。」

湘南ライフタウン内には茅ヶ崎市に属する地域があり、当初は区画整理事業完成の時点で茅ヶ崎市域を藤沢市に入れ、同一面積分(約9ha)を藤沢市から茅ヶ崎市に入れる等価交換になっていても1988年に藤沢市は茅ヶ崎市への編入予定地域住民が藤沢市への残留を希望したため当該地域を藤沢市にそのまま残そうとする変形調整案を提示。これに対して茅ヶ崎市側は藤沢市の一方的な発表であるとして当初案を主張、両市の主張が相容れないまま一旦白紙撤回されて現在に至る。

 両市では湘南ライフタウン内に茅ヶ崎市の教育行政施設が無いため茅ヶ崎市域の小中学生が藤沢市の学校に通えるようにするなどの行政協力を行っているが、藤沢市主体で開発された地域内での行政サービスの格差があり、ゴミの回収日や分別方法、有料化等の違いに起因する問題や消防や救急の対応速度の差などもあり、茅ヶ崎市域側住民の多くは藤沢市への編入を求めている。

ライフタウンは全地域が駅から離れているため神奈川中央交通バスによるアクセス。主に東海道線辻堂と小田急や相鉄、地下鉄の湘南台駅からのバスが中心で、一部の便は急行運転。

辻堂駅には貨物線にホームを造って湘南ライナーの停車も要望されているが、JR東日本が嫌がっており、二市に跨っていれば余計に難しい。

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