下腹が出るワケ、凹むワケ 【パート1】
女性の下腹ぽっこりの主な原因は皮下脂肪?最近は、それほど皮下脂肪がついていないのに下腹だけが出ている人も多い。
「最近の若い女性は背骨が不自然に真っすぐに伸びてしまっている人が多いんですよ。こういう人は、だいたい胸骨も下がっていて胸板が薄いんです。ですから、内臓が押し下げられて下腹部が出てしまうんですね」
そう教えてくれるのは、「日経ヘルス」本誌連載でもおなじみの、健美サロン渡部の院長で助産師、整体師でもある渡部信子さん。
「内臓が押し下げられると骨盤が開いてしまい、お腹を突き出すような格好になり、さらに猫背でダラーっとした、だらしない姿勢になってしまうんです」。体を側面から見たときに背骨が描くはずのきれいなS字が崩れてしまっているのだという。
しかも恐ろしいことに、その原因が胎児のころから始まっている例もあるという。
「エコーで見ると、本来ならあぐらをかいたような姿勢で腕を胸の前で曲げているのが赤ちゃんの胎内での姿勢なんです。ところが、手足を伸ばして前屈をしているような姿勢で収まっている子が増えているんです。もう、この段階から背骨が真っすぐになりやすくなっているんですね」
なぜ胎児がそんな姿勢になるのかは、はっきりわからないが渡部さんは「母親の子宮のゆがみが関係しているのでは」と考えているという。
「それから赤ちゃんを寝かすベッドの布団も、最近は硬めになっていますよね。そういう所にべたーっと寝かすと、やっぱり背骨 が真っすぐになってしまうんです。背骨のS字は13歳くらいまでに完成するといわれていますから、赤ちゃんのころは丸く包みこむような寝かせ方、抱き方を心がけてあげるのがいい。将来、下腹がぽっこりになる原因を減らしてあげられることになると思いますよ(笑)」
内臓の下垂による下腹ぽっこりは、どうやら幼少期の親の育て方にも大きくかかわっているようだ。
取材・文/松尾直利(G's)
日経ヘルス 2008年8月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります
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