算数応用問題への心構え その2 | 中学受験Walker

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中学受験塾教室長15年目◆中学受験 小6になってグンと伸びる子、ガクンと落ちる子 【完全版】著者◆中学受験の勉強法や情報を発信します。

今回は算数応用問題への心構えについてのお話です。応用問題というと文字通り育成テストの応用問題や公開模試の後半大設問2問あたりをイメージしています。Aクラスの皆さんは共通問題の後半大設問2問あたりや公開模試の□3番以降をイメージして読んでいただければと思います。

 

④質問に行く前に注意したいこと

テストが終わってすぐに教えてください。と質問にくる子がいますが、少し自分で再チャレンジする時間を取るべきだと思います。少なくとも途中式や図を書いてみる。自宅に帰ってアンサーガイドで解説を読んでみるなどの途中過程を経て質問すべきでしょう。これは6年生の後期になってからの過去問演習でも同様です。解説を読む前に質問にいくことがないようにしたいです。また月曜日以降であれば正答率で今の自分に必要かどうか判断しましょう。Aクラスであれば50%まで、Mクラスであれば30%までTMクラスであれば10%までなど区切るとよいでしょう。理由は、たいていの場合難易度の高い問題を追い続けても身につかないこともあるし、算数以外の科目にあてる時間が減ってしまうからです。

 

⑤ふり返りを言葉で残しておく

応用問題を解いていったときにどこでつまずいたのか、言葉で残しておくと次回以降に向けての方針が見えてきます。字が汚くて間違えたのであれば、次回以降はそこを意識していけばいいのです。問題用紙のスペースをうまく使えなかったなどできる限り具体的に残しておくことをおすすめします。そうしないと1週間も経つと忘れてしまって同じミスをまたしてしまうのです。ですからテストの直しはテスト用紙に直接やるではなく、ノートを1冊用意する。気づきをメモするときは特別なペンを使うなどもいいでしょう。個人的におすすめしているのがサラサスタディというボールペンです。赤、青、黒を持っています。例えば気づきをメモするときは★マークを書いてから青ボールペンで書くなどをしてみてはどうでしょうか。このふり返りの言葉を残しておく手法は6年生の日特や過去問演習の際にも使えます。

 

 

 

⑥リード文の長さに負けない

育テ応用問題や公開模試の後半の問題は問題のリード文の長さでこちらの心折ってきます。まず読む気がおきない。それでは出題者の思うつぼです。ちょっと我慢して読んでみてください。国語の問題文を読む時のように大事なところに線を引きながら我慢して読んでみてください。(算数の応用問題の複雑な設問の意味を理解するためにも国語の勉強をすることは大切です。特に割合の問題などは問題の読解力が問われることもあります。だから国語の勉強もちゃんとやりましょう。)

 

国語と違って算数の大事なところはだいたい決まっています。それは数字が出てきたところです。そこに注意しながら何とか(1)までたどりつき、(1)をもぎ取りましょう。たいていの場合後半の問題であっても(1)は手が出る問題のことが多いです。正答率でも50%~少なくても30%程度はあるはずです。(2)以降は時間との兼ね合いということになりますが、先ほど書いた通り、時間延長法で家庭でリトライしてみてほしいです。算数を楽しんでほしいです。

 

↓時間延長法の話題はこちら

 

⑦計算や単位換算で間違えているようでは修行が足りない!

最近よく子ども達にいうのが例えば今の自分の偏差値以上の学校に合格したい!でも計算はミスります!というのでは図々しいぞというような話をします。そのときに子ども達に見せるのが今年の淑徳与野や浦和明の星の計算問題□1番(1)です。入試では最初からこのレベルで問題ができています。ですから今の公開模試レベルの計算問題でときどきミスをしているようではお話にならないのが正直なところです。

 

また、計算のスペース取りがへたくそな場合もあるでしょう。実際の入試でも計算スペースはそれほどないことが多いです。育テや公開模試のスペースにうまく納めて計算できるように日頃から文字の大きさをそろえるなどの工夫は必要です。数字の大きさがまちまちだったり、ひっ算が斜めではまだまだ心が乱れています。心を整えましょう。そのためにはまずは姿勢を整えましょう。テスト用紙に対してきちんと正面に向いて問題にとりくみましょう。その方が集中できます。

 

計算のミスが多い人は日々の計算と漢字への取り組みを反省してください。ていねいにやっているかどうか、全力でやっているかどうか自分自身で判断してください。ここでズルをしているようでは残念ながら入試でかなり痛い目を見ます。今、楽をした分必ずあとで辛い思いをすることになります。そうなってほしくないのでしつこく話をしているのです。

 

単位換算も苦手な子が多いです。もちろんこちらも入試問題で出てきますが、そもそも公開模試でほぼ必ず出題されます。計算と漢字のD問題で出てくることが多いので必ずここで反復して自分のものにしておきましょう。

 

最後に以前紹介した中学受験小説「翼の翼」から父親のセリフを2つ紹介しておきます。ちなみに私自身は早くから計算ミスはなくすべきという考え方です。

 

p.22

「そんなの、いい、いい。中学受験をするんだったら、目先の計算力より、文章題を解く力だ。算数は結局、パターン化された問題より、どれだけ思考力があるかってところに集約されてくからな」(翼の父 真治)

 

中学受験、経験の父親のセリフだけあって深いですね。同じ点数でも中身が違うという話です。点数だけ取ろうとすれば、前半の簡単な問題をしっかり固めて後半を捨てればある程度の点を取れますが、低学年のうちからそれをやると伸びしろが期待できません。上位を目指すには難問にもアタックするチャレンジ精神が必要です。上位の子には「点取り屋になるな」と言われるのはこのためです。同義語に「社理勉君になるな」もあります。社会理科はリターンが大きい科目ですが、最終的には追いつかれます。中学受験は算数とよく言われますが、それは準備に時間がかかることもそのひとつだと思います。

 

p.84

計算ミスも含めて実力だよ(翼の父 真治)

 

先ほどとは正反対のことを言っていますが、こちらも真実です。私はミスする癖は早めに直した方がよいと考えるタイプです。日々の与えられている計算をていねいにやることからはじめましょう。このあたりの管理は親御さんにお願いしたいです。1日10分でいいので寄り添ってあげてほしいです。秋口の6年生で、公開模試や過去問で計算ミスをしてしまう場合は、少し計算問題の負荷を上げてあげるとよいと思います。銀本や前期日特のテキストから計算問題をピックアップして5問で、5分ほどで解かせるのです。はじめのうちは0点からもしれませんが、これも訓練で次第に取れるようになります。偏差値では50後半以上の人に効果的な対策です。

 

 

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