舟木一夫が“ふれコン”で選んだ曲⑧
「東京新宿恋の街」
―後半に第84回・85回「オードリー」―
本題に入る前に―。7日から22日頃までが二十四節気の11番目に当たる「小暑(しょうしょ)」になります。本格的に夏の暑さが始まる時期です。七十二候でも「温風至(あつかぜいたる)」の頃で、熱気を帯びた南風が吹いてきます。蝉も泣き始めます。2024年はすでに猛暑続きですが、暦の上では22日ごろの「大暑(たいしょ)」を合わせたおよそ1か月が1年で最も暑い時期になり、ここから「立秋」までの間が「暑中」とされ、夏バテしやすくなる時期です。暑中見舞いの便りはこの頃に出します。
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本題に入ります―。舟木一夫さんが2024年のふれんどコンサート「遠藤実の世界」で8曲目に選んだのは、舟木さん自身が1964年4月にリリースした「東京新宿恋の街」(作詞・荒木忠雄、補作詞・石本美由起)でした。この曲は新宿駅東口に「新宿ステーションビル」が完成した記念に、「新しい東京の歌」として雑誌・平凡が一般に歌詞募集したものでした。2022年11月1日に東京・浅草公会堂で行われたコンサートでも歌っています。
北原謙二さん、コロムビア・ローズさんと歌ったB面の「虹のターミナル」(作詞・サトウ・ハチロー)は船村徹さんの作曲で、両面で贅沢な組み合わせになっています。ターミナルビルという言葉が一般化したのはこの頃ではないでしょうか。舟木さんの「貝がらの唄」(作詞・西村益子、作曲・遠藤実)も同時にリリースされていますが、こちらのB面は青山和子さんの「花扉」(作詞・大矢弘子、作曲・馬渡誠一)です。当時は二人の歌手がA面とB面を別々にレコーディングすることはままありました。
ルミネエスト新宿
新宿ステーションビルは10月の東京オリンピック開催、東海道新幹線開通と同じ1964年の5月20日にオープンし、のちに「マイシティ(MY CITY)」、「ルミネエスト新宿」と名前が変わっていきます。「東京新宿恋の街」はもともとは舟木さんと高石かつ枝さんがデュエットで歌う予定でしたが、直前にコロムビアからクラウンが独立するという“クラウン騒動”があり、高石さんがクラウンに移籍して実現しませんでした。実現していれば、美男美女の新しい“舟木&高石コンビ”が誕生していたでしょう。
大阪での“ふれコン”では当初「青春の大阪」(作詞・西沢爽、作曲・和田香苗)を歌う予定でしたが、トークの中で「調べてみたら、こちらは違う人の作曲でした。数多く歌っていますから、あの辺の歌は全部、遠藤先生に書いてもらった印象があるんですね」と話していました。調べましたら、舟木さんはこの曲を歌うまでに山路進一さん、市川昭介さん、戸塚三博さん作曲の歌も歌っているんですけどね…。ちなみに、「青春の大阪」の片面は島倉千代子さんの「小鳥が来る街」でした。
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樹里が杉本と美月に「東京に行こう!」
84回。梓(茂山逸平)が美月(岡本綾)に「樹里(井元由香)は深刻な病気かもしれない」と話していると、泊っている樹里が来て「死んでも休めない」と言います。樹里は別の部屋で黒田(國村隼)が滝乃(大竹しのぶ)に「支払いを待ってくれ」と頼んでいるのを立ち聞きします。そして、大部屋俳優たちが集まっているカツドウ屋で皆に「大京映画つぶれるわよ。椿屋で聞いたの」とバラします。
美月が皆に「知っていたのか」と詰め寄られていると、関川(石井正則)が来てトラ(菊池隆則)を呼び出します。黒田はトラに「香港映画で日本人の悪役を探している、香港に行かないか」と声をかけます。その夜、樹里は日高組の部屋に杉本を訪ね、「私、仕事は上手く行っているのに、椿屋の部屋で一人でいると叫びそう。好きです」と言って杉本に抱き着きます…。
85回。樹里が椿屋に戻ってこないので、美月が杉本(堺雅人)の家に電話してみると、樹里が出たため咄嗟に電話を切ってしまいます。杉本が部屋に帰ってくると、樹里は杉本に東京へ出て来ないかと声をかけます。樹里は椿屋に戻ると、美月を呼び出して「杉本さんも東京に出てくるよ」と言って東京へ誘います。翌日、大京映画ではトラが香港行きを提案されたと杉本らに相談します。メイクの琴子(水野麗奈)は「私も付いて行く」と言い出します。
美月はその夜、晋八に教えてもらって杉本のアパートを訪ねます。そこで、「樹里さんが病気かもしれないので、杉本さんから病院に行こうと言ってくれませんか」と頼むと、隣の部屋から樹里が現われます。杉本が「僕を大切に思うんだったら、病院に行こう」と言うのを聞いた美月はすぐ椿屋に戻り、滝乃に「私、東京へ行く」と伝えます…。
※87回にはクリキンこと舟木一夫が登場します。
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舟木一夫2024年コンサートスケジュール