キビタキ
舟木一夫~2024年コンサート曲㉙
「みんな旅人」
―後半に「オードリー」。滝乃が美月を養女に!?―
本題に入る前に―。4月後半から5月上旬ごろに、富士山の北西の斜面7~8合目あたりの大きなくぼみに現れる鳥の形をした残雪を「農鳥(のうとり)」と言います。昔から、この農鳥が見られる時期を農作業を開始する目安農鳥としましたが、今は開始時期がもう少し早まって、農鳥が出現する頃は田植えが行われるタイミングと重なることが多いようです。ちなみに、富士山に実際に生息する鳥と言えば、ヤマガラ、キビタキ、オオルリ、アカゲラ、ヒガラなどが思い浮かびます。
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本題に入ります―。舟木一夫さんが2024年通常コンサートのアンコール曲に選んだのは、1982年6月にリリースしたアルバム「WHITEⅠ」に収録され、2017年1月25日にシングルカットしてリリースした「みんな旅人」(作詞&作曲・舟木一夫)でした。あえてアンコール曲にしたのにはワケがあって、今年のコンサートツアーのために、今までなかった「4番」=下の歌詞=を自ら作詞して追加しことです。この詩に込めた想いを皆さんにお伝えしたかったのだろうと思います。
時はめぐりめぐる 花はこぼれまたひらく
そっとぬぐう涙 命はそこに宿る
風の中旅の中 今あふれるこの歌は
限りないときめき 光る青春
明日へ続く道に いたみをすてて寄りそう
みんなみんな旅人 心をつなぐ旅人
みんなみんな旅人 君も…君も 俺も
1982年は舟木さんが37歳か38歳。アルバム「WHITEⅠ」のほか、同じ6月にシングル「愛だなんて言うまえに/End・Love」をリリースしたのみ。コンサートも11月3日に東京郵便貯金ホールで開いた「酔って、Singer」(同じタイトルのエッセーも出版されています)だけでした。この傾向は1978年から始まり、1992年まで続きます。いわゆる“寒い時代”の真っただ中でした。やっと“脱出作戦”が始まったのは、1992年に芸能生活30周年を迎えた頃からでした。
舟木さんはインタビューに対して、「30代の頃から徐々に、レコード会社が僕に作ってきた作品に対して“何だろうこれは!?”という感じでした。今なぜ舟木一夫にこれなんだろうって。世界観もその頃の僕に寸法が合わなかったので、せめて自分で納得して歌いたい歌があってもいいじゃないかと思ったんです。それが『WHITE』で、『みんな旅人』には僕のそんな思いが反映されていると思います」と答えています。「みんな旅人」は当時からシングルカットを希望する声がありましたね。
また、舟木さんは2022年12月10日から21日まで、東京・新橋演舞場で芸能生活60周年記念ロングコンサートを開きましたが、最終日のサンクスコンサートの前半に「自分の中では外せない、その時の痛烈な思いを叩きつけるように書いていた曲」として「WHITE」を取り上げ、オープニングの「みんな旅人」に続き、「都会(まち)の子守唄」「青春(わかさ)ばなし」「潮どき」「~糸車~」まで歌い、歌い終えて語り掛けました。
「これらの歌には、どこかでデコボコしながら歩いているところがあります。レコード会社から上がって来る企画と全く合わなくなって『つばさ』を出してから5年間、新曲は出しませんでした。思いが入り過ぎていたり、一人合点であったり、そういう水たまりがありましたから。レコード会社とのずれ込みが激しくて、歌い手は吐き出せないんですよね」―私は当時のディレクターも存じ上げていますが、なかなか舟木さんの感性に合わせることが出来ませんでしたね。
「つばさ/青春ばなし」は1983年4月のリリース、次のシングルは1990年9月の「落日のあとで/風のワルツ」(作詞・秋元康、作曲・徳久広司)ですから実際は7年も空いていることになります。ちなみに、秋元さんは1991年11月の「友よ/いつか愛したおまえ」(作曲・杉本真人)、1992年6月の「人生半分/これから」(同)も作詞しています。秋元さんとはお仕事をご一緒したこともありますが、歌い手の感性を読み取れる方で、これらの歌の歌詞は舟木さんの感性に合っていたのではないでしょうか。
舟木さんが48歳か49歳の1993年になると、シングルのリリース数は少ないままですが、復活の兆しが確実に見え始めてきます。なかでも私は舟木さんが1995年9月21日に「風、好きに吹け~迷夢本望~/最後の恋」(作詞&作曲・小椋佳、編曲・甲斐正人)をリリースした時点を捉え、産経新聞の夕刊紙上に見開き2ページで「舟木一夫 完全復活」という大見出しを付けた記事を書きました。舟木さん、51歳の時です。手前みそになりますが、いい時期の掲載になったのではないでしょうか。
舟木さんはその後、芸能生活40周年を迎えた2002年5月、本名の上田成幸名で作詞&作曲した「浮世まかせ/ありがとうもさようならも」をリリースしました。その際、「『WHITE』はその時の自分の不満とかやり場のないものとか、じりじりしている部分が思わず噴出するというのが原点。だからちょっと言葉に書き過ぎちゃうところがある」として、「浮世まかせ」について次のように語っています。
「最近、『浮世まかせ』に代表されるんですが、あまり突っ込んだ言葉を使わない。分かりやすい言葉を使って単純なメロディーという思考にどんどん戻ってきている。歌い込むというよりは、お客さまの中に置いていくというか、メロディーに乗せた言葉みたいなものをお客さまの中にぽんぽんと置いていく感覚なんです。実年齢とキャリアがクロスすると、そういうことになるのかな」
“寒い時代”の「WHITE」から40周年の「浮世まかせ」への流れは含むものが多く、その後の20年を見詰め直す時、感慨深いものがあります。舟木さんはまもなく、今年12月12日に80歳の傘寿となり、その2年後に芸能生活65周年の記念の年を迎えることになります―。
下は舟木さんのコンサート活動を応援している㈱アイエスのX(旧ツイッター)に掲載された新商品グッズ発売のお知らせです。5月2日(木)の大阪・新歌舞伎座の神野美伽さんとのジョイントコンサートで販売されます。
【#舟木一夫 新商品グッズ🎁発売】
— アイエス (@aiesu_19711208) April 27, 2024
舟木一夫 コンサートツアー2024 新商品発売決定‼️
5月2日(木)新歌舞伎座公演より販売を開始いたします🍴
5月2日(木)~8日(水)は各公演の開場時間よりグッズ販売を行います😀 pic.twitter.com/dauvoapVKm
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滝乃が春夫と愛子に「美月を養女にしたい」
家族一緒に寝食を共にし始めてから愛子(賀来千香子)は嬉々として美月(大橋梢)に料理や洗濯などの家事を教えます。椿屋の常連客・花尾武(桂米朝)の会食会の準備に滝乃(大竹しのぶ)がかかりっきりになっている間に、美月は君江(藤山直美)と椿屋を抜け出して撮影所に行きます。
美月は幹幸太郎(佐々木蔵之介)に出会い、「お前は将来いい女優になれる」と声をかけられます。美月は晋八(柴田光)に会って滝乃が追い返したことを謝ります。晋八から「ええけど、お前のおかんは好かん」と言われると、美月は「私を産んだお母さんは別にいるねん」と明かします。二人は仲直りしました。
この間、滝乃は美月を探し始め、君江と撮影所に行ったことを知ります。二人が帰ってくると、滝乃は君江に「今夜中に荷物をまとめて、明日の朝には椿屋から出て行きなさい」と命じます。そして、春夫(段田安則)と愛子に「美月ちゃんを養女に下さい。正式に私の娘にしたいんや。美月ちゃんのためや」と告げます…。
※現在、NHK大河ドラマ「光る君へ」にも出演している段田安則さん(67)がこのほど、学問や芸術分野功績を残した人に贈る紫綬褒章に選ばれました。「米一粒作れず、世間のお役に立っているとは思えない私が紫綬褒章を賜るとは、まさに望外の喜びです」と謙虚に語られました。
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2024年コンサートスケジュール
■2月2日(金) 埼玉・大宮ソニックシティ
14:00
■2月22日(木) 長野・ホクト文化ホール 14:00
■3月6日(水)
神奈川・カルッツかわさきホール
14:00
■3月12日(火)
静岡・アクトシティ浜松大ホール
14:00
■3月26日(火) 兵庫・神戸国際会館 14:00
■3月27日(水) 大阪・フェスティバルホール
14:00
■4月5日(金)~7日(日) 京都・南座
「舟木一夫シアターコンサートin南座」
各日13:30
■4月12日(金) 群馬・高崎芸術劇場 14:00
■4月23日(火)~24日(水)
愛知・日本特殊陶業市民会館
14:00
■5月2日(木)~8日(水)
大阪・新歌舞伎座(神野美伽とのジョイント)
2日16:00/3日~8日13:30(5日休演)
■5月16日(木) 山口・KDDI維新ホール 14:00
■5月17日(金)
広島・ふくやま芸術文化ホール
14:00
■5月23日(木) 岩手県民会館
14 : 00
■5月24日(金)
青山・リンクステーションホール青森
14:30
■6月11日(火)大阪・ふれんどコンサート
大阪サンケイホールプリーゼ
14:00
■6月18日(火)
福島・けんしん郡山文化センター
14:30
■6月19日(水) 山形・やまぎん県民ホール
14:00
■6月25日(火) 東京・ティアラこうとう 14:00
■7月3日(水) 東京・ふれんどコンサート
東京・なかのZERO大ホール 15:00
■7月10日(水) 埼玉・ウエスタ川越 14:00
■7月16日(火) 浅草公会堂 17:00
■7月20日(土)
神奈川・相模女子大グリーンホール 14:00
■8月21日(水) J:COMホール八王子
14:00
■9月4日(水)~8日(日)御園座
各13:00
■9月12日(木) アクリエ姫路 14:00
■9月13日(金) ハレノワ岡山芸術劇場
14:00
■9月18日(水)
サンシティ越谷市民ホール 14:00
■10月1日(火) 宝山ホール(鹿児島)
14:00
■10月2日(水) 福岡市民会館
14:00
■10月22日(火)
大阪フェスティバルホール 14:00
■10月23日(水) 神戸国際会館 14:00
■12月5日(木)
大阪・バースデーパーティー
ホテルニューオータニ大阪
■12月17日(火)
東京・バースデーパーティー
ホテルニューオータニ東京
※各会場写真から会場公式サイトに飛びます
※確定分のみ掲載しています
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