舟木一夫~2024年コンサート曲⑫

西郷輝彦「星のフラメンコ

 

 

 本題に入る前に―。二十四節季は春夏秋冬を6つに分けることで、1年を二十四に等分し、それぞれの季節に相応しい名前が付けられています。七十二候(しちじゅうにこう)は二十四節季の各一気を初候、次候、末候と3等分し、1年を七十二に分けたものです。例えば、今だと二十四節季の「啓蟄」の次候は「桃始笑(ももはじめてさく)」で、春になって桃のつほみが開き、花が咲き始めるころを表します。昔は花が咲くことを「笑く」としたようです。中国では、邪気を払い不老長寿をもたらされるとされ、日本でも厄払いや長寿をもたらす神聖な植物とされています。

 

 

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星のフラメンコ (クラシックCD付)

 

 舟木一夫さんは2024年通常コンサートの12曲目に、1966年7月にリリースされた西郷輝彦さんの「星のフラメンコ」(作詞&作曲・浜口庫之助、編曲・小杉仁三)を選択しました。舟木さんは西郷さんのフラメンコのポーズとともに手を叩いてステップを踏む印象的な振りを控えめに真似して熱唱しています。

 

生き方下手

 

 西郷さんは自著「生き方下手」の中で、「青春歌謡曲が続いた後、そろそろビートの効いたリズム感溢れる歌が歌いたくなっていた。デビュー前の洋楽シンガーとしての虫がうずき始めた。そこで生まれたのがハマクラさんの『星娘』だった」と記しています。この曲は大ヒットし、年末の第16回NHK紅白歌合戦でも熱唱しました。

 

西郷輝彦「星娘/港の灯り」【EP】

 

 西郷さんは「それでは次も…」と浜口さんにお願いし、1966年2月、一緒にスペイン・マドリードの本場でフラメンコを観て、2人とも「猛烈なリズムにシビレてしまった」(西郷さん)。そして、帰国してから完成したのが「星のフラメンコ」だったと記しています。

 

 

 1965年9月発売の「星娘/港の灯り」(作詞&作曲・浜口庫之助、編曲・小杉仁三)から9曲目になりました。この後、浜口さんとコンビを組んだのは1967年5月発売の「願い星叶い星/湖にゆこうよ」(作詞&作曲・浜口庫之助、編曲・小杉仁三)だけになりました。

 

 

 ともあれ、「星のフラメンコ」は発売後2か月で売り上げ50万枚を超す大ヒットになり、1963年に創立した日本クラウンにとっては空前のレコード売り上げ枚数になり、全国のレコード店に感謝状を贈ったほどです。1968年時点での累計売り上げが95万枚に達したという記録が残っています。

 

 西郷さんは自著「風の口ぶえ」で次のように記しています。「今でも『星娘』『星のフラメンコ』こそ和製ポップスの“はしり”だと僕は自信を持っている。浜口庫之助先生は、そのころの僕にとって、水を与えてくれた人。僕の奥底にしずんでいたポップス熱をひきずり出してしまった人だった」。

 

 

 「星のフラメンコ」は1966年8月27日公開の日活映画「遥かなる慕情 星のフラメンコ」(監督・森永健次郎、脚本・倉本聰、共演=汪玲、藍芳、松原智恵子ら)の主題歌になりました。さらに、西郷さんは同年末の第17回NHK紅白歌合戦のトップバッターとして「星のフラメンコ」を歌い上げました。

 

星のフラメンコ

 

 

 

 テレビ朝日「サンデーLIVE!!」で「舟木一夫 感動再び」

 

 3月10日(日)午前5時50分からテレビ朝日系で放送された「サンデーLIVE!!」で、

6日に発売されたばかりの舟木さんのDVD(昨年11月16日に行われた東京国際フォーラムのツアーファイナル)が「舟木一夫 感動再び」のタイトルで紹介され、映像の一部が流されました。政治学者の中林美恵子さん(63)らコメンテーターからは「60周年が経っているとは思えないほど若くてスタイルもいい。お話も面白い」という話が出ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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