舟木一夫出演の「オードリー」が再放送
～大京映画の看板スター・栗部金太郎役、初回に登場～
舟友さんからご連絡いただきました。
舟木一夫さんが“クリキン”として出演したNHKの連続テレビ小説「オードリー」が4月1日(月)から再放送されます。脚本は現在、大河ドラマ「光る君へ」への脚本を手掛けている大石静さん。2000年10月2日から2001年3月31日まで計77回放送されたもので、20数年ぶりの再放送になります。オードリーはもちろん、オードリー・ヘップバーンにちなんだ名前で、ヒロインの“愛称”。音楽は溝口肇さん、主題歌は倉木麻衣さんの「Reach for the sky」(作詞・倉木麻衣、作曲・大野愛果)です。
当時の製作統括の内藤愼介さんによると、内容は映画製作を目指すヒロインの成長物語であり、昭和30年～40年代の京都・太秦(うずまさ)という最も活況を呈していた映画の街を舞台にしたバックステージもののドラマでもあります。ヒロインは産みの母と育ての親という2人の母と、アメリカ育ちの父の生き方に翻弄されながら、映画作りにかけた挫折と成功の繰り返しを生きていきます。一番上の写真はヒロイン・佐々木美月役の岡本綾さんで、17歳から48歳までを演じています。
脚本の大石さんは当時、「産みの母と別れて養母に育てられる人はいっぱいいるし、そういう物語もたくさんあるけれど、私のように、実母と養母、同時にふたりの母に育てられたというのはとても特殊だから、他局でもドラマにしたいとよく言われるんだけど、それは小説にしたいなと思って…」ということと、忙しくて書く時間がないことを理由に断っていましたが、大ヒット作の「ふたりっ子」で組んだチーフディレクター・長沖渉さんに口説かれて脚本を書いたそうです。
出演は他に大竹しのぶ、賀来千賀子、段田安則、長嶋一茂、佐々木蔵之介、堺雅人、國村隼、舟木一夫、林与一、沢田研二、藤山直美…という豪華メンバー。舟木さんと与一さんは大京映画の看板スター、“東の御大”こと栗部金太郎(クリキン)と、“川の御大”こと桃山剣之助(モモケン)役。大竹さんは老舗旅館「椿屋」の女主人、賀来さんは美月の母、國村さんは大京映画のワンマン社長、長嶋さんは美月の恋人・ジョー、堺さんは大京映画のスタッフといった役どころです。
当時55歳の舟木さんは「クリキンという人は、時代劇映画の黄金期を支えた大スター。映画に関しては相当なこだわりを持っていますから、自分の考えをどんどん押し出していきます。でも、映画の新しい流れの中では、ややもすると古さを感じさせ、いま役者としての崖っぷちに立っている。そういった人物なんです。クリキンの魅力は、若い人たちににも理解されるかもしれないけれど、基本的には同世代でこそ共感しあえるものなんです」と語っています。
舟木さんによると、クリキンの代表作は「青葉城漂流剣」。テレビ時代劇への出演を要請された際は、その誇り高さから断り、フリー宣言をして大京映画から立ち去ります。第1回目は、独眼竜政宗のように片目に眼帯をしたクリキンの華麗な立ち回りから始まります。「時代背景や人物造形がとても面白いし、映画作りの裏側をていねいに描いています。シリアスですが、ストーリーはとっても華やかです」とPRしています。これは絶対に見逃せませんね。
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ヒロインの岡本さんは1982年12月9日、東京都の出身。「オードリー」出演時は17歳から18歳の高校生でした。2002年7月公開の「おぎゃあ。」で映画初主演し、ハワイ国際映画祭でネットパック特別賞(最優秀アジア映画賞)を受賞。2004年9月に事務所を退社後、2007年5月に「女優として内から引き出すものがなくなり、表現者としての限界を感じています。自分自身を見つめ直す時間がほしい」と、新事務所も退社して無期限で芸能活動を“休養”しました。事実上の引退宣言です。現在41歳。
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大石静さんとは私が産経新聞社時代の2004年7月から12月まで、連載小説「四つの嘘」を産経紙上で書いていただきました。のちに単行本として出版された幻冬舎の館野晴彦さんとともに都内のお洒落な喫茶店で打ち合わせをしましたが、大石さんからは柔和な話し方の一方で、仕事にこれほど厳しい人がいるのかと思い知らされたことを思い出しました。ちなみに、「四つの嘘」は2008年7月から9月まで、永作博美さん主演でテレビ朝日系でドラマ化され好評でした。
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