鎌倉・稲村ガ崎

 

舟木一夫~2024年コンサート曲⑧

たそがれの人

「みんな旅人」の“4番”を再掲載

―仲宗根美樹(79)さんが亡くなる―

 

Frog in Suit with Leap Year Calendar

 

 本題に入る前に―。地球が太陽を公転する1回の周期(公転周期)は365日と5時間48分45秒であるため、はみ出す約4分の1日が積み重なって4年で1日分のズレが生じるため、4年に1回“特別な1日”がカレンダーに加わえられます。2月は28日しかないため、2月に“特別な1日”が加えられることになりました。これを「閏日(うるうび)」と呼び、その年は「閏年」ということになります。世界中で約500万人のleapling(閏日生まれの人)が4年に1度の誕生日を迎えるということです。

 

◇ 

 

たそがれの人 (クラシックCD付)

 舟木一夫さんは2024年通常コンサートの8曲目に1965年8月にリリースした「たそがれの人」(作詞・安部幸子、作曲・山路進一)を選択しました。舟木さんの曲の中では初めての“ブルース”と言っていいかと思います。

 

 

 舟木さんが歌手になる際、ブルースが歌える歌手になりたいと希望していたことはコロムビアのディレクター・栗山章さんも良く知っていましたので、安部さんと山路さんにそのような曲にしてもらいたいと伝えていたのではないでしょうか。

 

【EP】舟木一夫 「渚のお嬢さん/ 月とヨットと遠い人」

 

高原のお嬢さん (クラシックCD付)

 

 「たそがれの人/夜霧のラブレター」がリリースされる前の7月には「渚のお嬢さん/月とヨットと遠い人」、後の10月には「高原のお嬢さん/夏の日の若い恋」がリリースされています。 

 

7 舟木一夫 浜の若い衆/磯浜そだち SAS560 COLUMBIA /00080

 

 8月には「浜の若い衆/磯浜そだち」「あゝ鶴ヶ城/お城かこんで輪になって」とともに計3枚6曲がリリースされています。このうち2枚4曲の作詞を安部さんが手掛け、山路さんが作曲しています。とりわけ安部さんはまだ20代初めの“駆け出し”でした。

 

 とにかく、栗山さんは曲作りに当たっては“熱すぎる人”と思われていた方で、若い作曲家からは「自分は栗山さんのピアノですか?」、作詞家からは「私は栗山さんのペンか!?」と苦情を言われたことが何度かあったほどです。

 

 

 大先輩の丘灯至夫さんでも「栗山君は舟木君に歌わせる歌のために、私の自宅に夜討ち朝駆けを行い、私はその都度起こされて仕事をした」と語っています。そんなことですから、とりわけ安部さんにはいろいろ“注文”を出していたと思われます。

 

 たそがれは 夕風は

 あおざめた こころの挽歌

 たそがれが 好きだったから

 たそがれの 美しい日に

 逢える気がする あの人

 

 このうたは この曲は

 きえてゆく 夜霧の挽歌

 ブルースが 好きだったから

 くりかえし 踊ったふたり

 のこる思いを のせてる

 

 いとしさは 哀しさは

 もえのこる なごりの挽歌

 雨の夜は 逢いたくなって

 風の夜は 逢いたくなって

 ひとりたたずむ この街…

 

 この歌詞のキーワードは「挽歌」です。「こころの挽歌」、「夜霧の挽歌」、「なごりの挽歌」。舟木さんはこの曲をかなり好んでいますが、とりわけこの「挽歌」の響きを気に入っておられるんではないでしょうか。

 

 「挽歌」の説明には、葬送のとき、棺(ひつぎ)を載せた車をひく人たちがうたう歌。また、人の死を悼んで作る詩歌。哀悼歌。万葉集では雑歌(ぞうか)、相聞(そうもん)とともに三大部立ての一とあります。

 

 B面の「夜霧のラブレター」の詞もいいですね。♪あおい夜霧に したいもの すがる夜霧に したいもの…。あおい夜霧に したいもの…は1番、2番、3番のヘソになっています。この歌の詞は安部さんじゃないと書けないと思います。

 

 

 

 

 

  「みんな旅人」について

 

ブログの読者の皆さまのご関心が高かったので、再度掲載させていただきます。 

 

 舟木さんは2024年コンサートツアーのアンコールで「みんな旅人」の“4番”を歌われています。舟木さん自身が今年のツアーのために書き下ろされたものです。会場でお聴きになった皆さんが詞の内容に感動されたようです。このブログで連載中の「2024年コンサート曲~みんな旅人」のところで改めてご紹介しますが、事前の掲載について舟木さんの許可をいただきましたので、“速報”の形で以下に記させていただきます。

 

      時はめぐりめぐる 

      花はこぼれまたひらく

      そっとぬぐう涙

      命はそこに宿る

     

      風の中旅の中

      今あふれるこの歌は

      限りないときめき

      光る青春

 

      明日へ続く道に

      いたみをすてて寄りそう

      みんなみんな旅人

      心をつなぐ旅人

      みんなみんな旅人

      君も…君も 俺も

 

 

 

仲宗根美樹さんが亡くなる

 

 

決定版 仲宗根美樹

 

 

 「川は流れる」などで知られる歌手の仲宗根美樹さんが24日午後0時5分、肺がんのため都内の病院で亡くなりました。79歳でした。27日に通夜、28日に告別式を行いました。お別れの会については検討しているということです。

 

 仲宗根さんは1944年6月23日、沖縄県出身の両親のもとに生まれ、東京で育ちました。舟木さんと同い年です。1961年に日本テレビ系の「東京物語」に出演し、同番組の挿入歌「愛に生きる」で歌手デビューしました。

 

 2枚目のシングル「川は流れる」が100万枚を超える大ヒットとなり、第3回日本レコード大賞の新人激励賞を受賞。同曲で翌年の第13回NHK紅白歌合戦に初出場しました。紅白歌合戦には計5回出場しています。歌手としては舟木さんの2年先輩です。

 

 1971年に結婚のために芸能界を引退。その後は実業家としての道を歩み、自らが経営する銀座のクラブのママとしても有名でした。1998年にテレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」で25年ぶりに歌手復帰していました。

 

 2022年ごろから肺気腫を患い、在宅で療養。今月20日に敗疾患発作で病院に緊急搬送され、24日に亡くなりました。

 

 「川は流れる」は舟木さんも大好きな歌で、しばしばステージやテレビで歌っていました。

 

 

 

 

 

 

 

☆青春賛歌 目次【1】2022年6月~

☆青春賛歌 目次【2】2023年1月~

☆青春賛歌目次【3】2024年1月~