舟木一夫~2024年コンサート曲②
「センチメンタル・ボーイ」
~ステージでの共演は大原ますみ~
本題に入る前に―。東京は2月5日夜から6日にかけて最大積雪8㎝の雪が降り、交通機関に大きな影響が出たり130人以上が転倒して搬送されるなど大変でした。雪国の方から見れば、何を大騒ぎしてるんだという感じになるんでしょうか。こんな雪に比べて、春先に降る消えやすい雪のことを「淡雪」と言います。舟木一夫さんは「絶唱」で、♪名さえはかない 淡雪の娘よ なぜ死んだ ああ小雪……と歌いました。「細雪」という呼び方もいいですね。
東京駅の雪景色
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舟木さんは2024年通常コンサートの2曲目に「センチメンタル・ボーイ」を選びました。内藤洋子さんと共演して1967年12月16日に公開された東京映画「君に幸福を センチメンタル・ボーイ」(監督・丸山誠治、脚本・松山善三)の主題歌です。発売は1967年11月で、作詞は河端茂さん、作曲は山屋清さん。山屋さんは1965年の第7回日本レコード大賞で編曲賞を受賞するなどしています。
1967年は1月3日に日活映画「北国の旅情」(監督・西河克己)の公開に始まり、4月には東京・明治座での初座長公演「維新の若人」など、6月は名古屋・御園座公演「春高楼の花の宴」、7月1日に東京映画「その人は昔」(監督・松山善三)、9月23日に日活映画「夕笛」(監督・西河克己)の公開、大晦日のNHK紅白歌合戦に出場して「夕笛」を熱唱するなど絶好調の年でした。
「君に幸福を」が公開された翌年1月にリリースされた4曲入りEP「舟木一夫のセンチメンタル・ボーイ」には、♪夢をあげよう 夢をあげよう ぼくの夢をみんなあげよう……で始まる「センチメンタル・ボーイ」のほかに、「お菓子の好きな少女」「星にそっと」「恋の残り火」(いずれも作詞・河端茂、作曲・山屋清)が収められていますが、あとの3曲はいずれも映画のために作られた挿入歌です。
映画について―。和倉太鼓の名手でもある二ノ谷史郎(舟木さん)が、能登から上京して洋菓子店に勤めながら日本一のケーキ作りの名人を目指します。共演の内藤さんこと真浦十紀は和倉のホテル経営者の一人娘。前作の「その人は昔」に続き、いかにも松山さんの脚本らしく、2人が織りなすプラトニックな恋愛模様を描いた青春歌謡映画になっています。
映画「君に幸福を」のパンフレット
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映画「君に幸福を」のヒットを受け、舟木さんは1968年1月2日から28日まで、大阪・梅田コマ・スタジアムで宝塚歌劇団雪組の大原ますみさん、山内賢さんらとデビュー5周年記念特別公演「センチメンタル・ボーイ」を演じています。舟木さんと大原さんは、舟木さんの“こころのステレオ”第2弾の組曲「雪のものがたり」(1968年10月5日リリース)でも“共演”、大原さんは“助唱”として参加しています。
5周年記念公演のパンフレット
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