「決定版 舟木一夫の青春賛歌」
~特に記したかった事~
産みの母の死、船村徹との絆
東京国際フォーラム=東京・丸の内
2023年11月16日(木)に東京国際フォーラム・ホールAで行われた「舟木一夫コンサート2023-ツアーファイナル-」の会場特設売り場で限定先行販売しました「決定版 舟木一夫の青春賛歌」(産経新聞出版)が28日(火)から一般発売されます。この本について、著者(大倉明)のこだわりについて、お伝えしておこうと思います。
ちなみに、28日の一般販売に先立ち、下の写真のように、書店によってはすでに販売中の所もあります。
ららぽーと横浜・紀伊國屋書店
横浜ダイヤモンド地下街 有隣堂
舟友さんには今更の話になりますが、前著「舟木一夫の青春賛歌」は舟木さんの芸能生活50周年をお祝いする形で約10年前に出版させていただきました。本来は60周年に当たる昨年に“決定版”を出版したかったのですが、出版社側との事情などがありまして、今年61年目の出版になりました。
この間、60周年の2022年には、お詫びも兼ねてデビュー日にあたる6月5日からakiraの青春賛歌という現在のブログをスタートさせることになりました。「舟木一夫」並びに関係者だけを綴るアメブロです。お陰様で、多くの舟友さんに読んでいただき、フォロワー数も増え、コメントも沢山いただいてきました。
そこで、ブログの中身だけを集めた本を出したらどうかというアイデアもいただきましたが、これを“整理”するのは結構大変な作業で、それなら前著の足りないところをブログなどで補う形の本に出来ないかと考えました。出版社側にも了解を取ることが出来ました。
というわけで、①前著を全面リライトしながらブログの内容を補足していく②新しい部分(後半)についてはブログの内容を中心に書く━という形で進めました。そういうこともあって、本のタイトルは“青春賛歌”を生かしたいという私の希望で「決定版 舟木一夫の青春賛歌」とさせていただきました。
“決定版”を出版するにあたり、必ず掲載しなければならないと考えた一つは、産みの母親・昌子さんの死を知らせる電話を受け取った際の舟木さんの反応です。前著では、行数の関係で「ああ、そう」とだけ言って電話を切った━で終わらせていましたが、舟友さんから「これでは舟木さんが冷血過ぎます」とお叱りを受けました。
確かにそうです。私は猛省し、ブログでは補足しましたが、単行本の中でも“訂正”したいと考え、今回、以下のように書き直しました。「『ああ、そう…』とだけ言って電話を切った。そして、何もなかったかのように再びギターを持って五線譜に向かった。5分ほどして突然、大粒の涙が溢れてきた。何度も何度もしゃくりあげた。それでも涙はいつまでも止まらなかった」と。
もう一つは、後半に新たに書きましたが、作曲家・船村徹さんと舟木さんの強い絆についてです。前著では、舟木さんが“寒い時代”のど真ん中で苦しんでいた時、船村さんが突然、舟木さんに電話をかけて「歌手をやめるのは君の自由だけど、僕が君のために書いた『夕笛』は誰が歌うんだい」と“叱咤激励”するくだりを書きました。
“決定版”に載せたのは、NHKの「昭和の歌人たち 西條八十」で、舟木さんがその「夕笛」を歌う際に船村さんがギターで演奏したくだりです。舟木さんがNHKの担当者に依頼して実現したものでした。舟木さんは歌いながら「この歌を歌うのは君しかいないんだよ」という船村さんの熱い想いが伝わってきたのではないでしょうか。なかなか“美しい話”だと思います。
また、船村さんの最後の内弟子をデビューさせる際、芸名を船村の「村」と舟木の「木」から取って「村木弾」としたうえ、船村さんがデビュー曲「ござる~GOZARU~」のプロデュースを舟木さんに依頼した件です。これは余程の信頼関係がないと出来ることではありません。そして、村木さんのデビュー2曲目「都会のカラス」は船村さんの遺作になりました。いずれも舟木さんの作詞です。
出来るだけ多くの舟友さんに読んでいただきたいのはもちろん、舟友さん以外の方には、この本によって「上田成幸=舟木一夫」という一人の男の生きざまを知っていただければ有難いと思っています。
大倉 明
★★★
★★★