舟木一夫と「河内おとこ節」
~2023.3新歌舞伎座コンサートでの選曲~
舟木一夫さんが2023年3月に大阪・新歌舞伎座で行ったコンサートで第一部の8曲目に選んだのは、1989年6月28日にリリースされた中村美律子さんの「河内おとこ節」(作詞・石本美由起、作曲・岡千秋)でした。♪サテモ皆様…が1番から3番まで、♪おそまつながら、悪声ながら、おゝそれながら…と繰り返されます。
舟木さんは今回のコンサートで何日か、♪河内~ぶ~しのところで何度も膝を曲げ腰を低くして唸りました。余程、調子が良かったんでしょう、翌日が休演日であることを忘れ、「明日はもっと(膝を曲げる)!!」とノッていました。「えっ、明日!?」と思いつつ、これは大うけでした。
この歌は中村さんが39歳の時にリリース。発売当時から関西ではヒットし半年で8万枚以上売り上げましたが、全国的なヒットになったのは3年後の1992年になってからで、累計販売数は70万枚に達しています。“遅咲き”とは中村さんのことを言うんでしょうね。
大ヒットを受けて中村さんは1992年に初めて、NHK紅白歌合戦に出場。以来、2010年までの間に計8回、「河内おとこ節」を歌っています。石川さゆりさんの「天城越え」の12回、「津軽海峡・冬景色」の11回に次ぐ記録ということです。それだけインパクトが強い歌という言い方も出来ると思います。
中村さんは1950年7月31日、東大阪市の生まれ。姉、弟、妹2人の7人家族が銭湯裏の6畳間に暮らし始め、小学2年から駅前で新聞販売、4年生から約200軒に新聞配達をしていました。母親が過労のため43歳で他界した後、家族が離散します。私が勤めていた産経新聞も配っていただいたと聞いています。
30歳を過ぎた頃、浪曲師の春野百合子さんに師事しますが、36歳の1986年にワーナーパイオニアから演歌でメジャーデビュー。2年後に東芝EMIに移籍して新曲を売るために地道なキャーンペーンを続けましたが売れませんでした。中村さんを見ていると“本物の苦労人”を感じます。
1988年に3枚目のシングル「河内おとこ節」を発売すると、関西からじわじわ売れ始めました。中村さんを一番可愛がり応援していた父親が亡くなったのは数年後で、娘の曲のヒットを見届けることが出来ました。中村さんにとっては最高の親孝行でしたね。
中村さんが1995年に初の座長公演「美律子がつづる昭和の名曲 華麗!歌の華絵巻」を開いたのは新歌舞伎座でした。中村さんには忘れられない劇場で、舟木さんがその劇場で形態模写付きで「河内おとこ節」を歌ったことを、中村さんはご存知でしょうかね。
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《舟木一夫・2023年コンサートスケジュール》
■2月16日(木) 埼玉・大宮ソニックシティ
14:00
■2月24日(金) 東京・かつしかシンフォニ
ーヒルズ 14:00
■3月1日(水) 静岡・アクトシティ浜松 14:00
■3月18日(土)~23日(木)
大阪・新歌舞伎座 シアターコンサート
14:00~16:30
■3月27日(月)~29日(水)
東京・新橋演舞場 シアターコンサート
各 14:00
■4月12日(水) 千葉・松戸森のホール21 14:00
■4月14日(金) 群馬・高崎芸術劇場 14:00
■4月25日(火) 東京・中野サンプラザホール 15:00
■5月10日(水) 岡山市民会館 14:00
■5月11日(木) 広島・上野学園ホール 14:00
■5月26日(金)~28日(日)
京都・南座 シアターコンサート 各13:30
■6月5日(月) 大阪・ふれんどコンサート
大阪・メルパルクホール
14:00
■6月7日(水) 愛知・日本特殊陶業市民会館 14:00
■6月12日(月) 東京・ふれんどコンサート
文京シビックホール・大ホール
15:00
■6月21日(水) 神戸国際会館 14:00
■6月22日(木) 大阪・梅田芸術劇場 14:00
■7月3日(月) 秋田・あきた芸術劇場ミル
ハス 14:00
■7月4日(火) 東京エレクトロンホール宮 城 14:00
■7月11日(火) J:COMホール八王子
14:00
■7月25日(火)~27日(木)
東京・浅草公会堂
25日は17:00、26日と27日は14:00
■8月7日(月) 埼玉・ウエスタ川越
14:00
■8月24日(木) 埼玉・川口総合文化センター
・リリア 14:00
■8月31日(木) 神奈川・相模女子大学グリー
ンホール 14:00
■9月7日(木) 神奈川・神奈川県民ホール
14:00
■9月13日(水) 千葉・市川市文化会館
14:00
※確定分のみ掲載しています