舟木一夫と「浪花盃」
~2023.3新歌舞伎座コンサートでの選曲~
舟木一夫さんが2023年3月に大阪・新歌舞伎座で開いたコンサートで第一部の5曲目に選んだのは五木ひろしさんが1986年6月25日にリリースした「浪花盃(なにわさかずき)」(作詞・石本美由起、作曲・市川昭介)でした。こういう選曲をする舟木さんのアンテナはまさに張りめぐされているといった感じですね。
この歌は売上20万枚超。日本テレビ音楽祭で優秀賞、FNS歌謡祭音楽大賞で最優秀視聴者賞、日本レコード大賞では8年連続8回目の金賞を受賞しています。五木さんは1986年のシングルはこの歌だけで、4月25日にアルバム「おんな彩」をリリースしています。
市川さんは1983年9月1日発売の五木さんの「細雪」(作詞・吉岡治)も作曲しています。余談ですが、「細雪」のB面は最初「のぞみ(希望)」(作詞&作曲・船村徹)でしたが、4日後の9月5日に急きょ、「冬の蛍」(作詞・吉岡治、作曲・市川昭介)に差し替えられました。
「のぞみ(希望)」は船村さんが26歳のころから刑務所を慰問に訪れ、受刑者のために自ら作詞作曲を手掛け、1981年に岐阜・笠松の女子刑務所で服役する約400人の女性たちに捧げた曲です。「細雪」のB面が余りにも早く差し替えられた理由は良く分かりませんが、そういう経緯と関係があったのでしょうか?
「浪花盃」の詞は石本さんらしい作品です。♪約束のうれしさ胸に口紅をさす 待ち人 待つ夜の 宵化粧/愛しても この世の義理に つまづいて さだめを泣きたい 路地ばかり/盃を 重ねて過ごす 夜だけは 私のあなたで いてほしい…。1番、2番、3番とも、この後に♪浪花盃 曽根崎ごころ…と続きます。
舟木さんは1979年の「おまえとふたり」、1980年の「倖せさがして」、1984年の「長良川艶歌」など、五木さんの代表曲のいくつかを自らのコンサートで時折歌っていますが、「浪花盃」は以前に大阪で歌ったことがあるんでしょうか? ご存知の方はまた教えてください。
※らぶさんからご連絡をいただきました。4月28日にアップしました別稿「舟木一夫さんが歌った『浪花盃』について」でご確認ください。
◇
― 露天神社(お初天神)曽根崎 ―