舟木一夫と「序曲だけのコンサート」
～2023年コンサートツアーの選曲～
舟木一夫さんが2023年の通常コンサートの11曲目に選んだのは、1998年5月にリリースしたアルバム「WHITEⅢ」に収録されている「序曲だけのコンサート」でした。「夢幻-MUGEN-」からの繋がりがいい曲だと思いますが 、3月1日のアクトシティ浜松でのコンサートでは「斜-me-節(ななめぶし)」に変えられました。こればかりは舟木さんに伺ってみないと分かりません。
― アクトシティ浜松 ―
ところで、前回、舟木さんが本名の「上田成幸」として作詞、作曲された曲を一覧表にしましたが、今回は舟木さんが「舟木一夫」「KAZUO」「里中さとる」「すずきじろう」「高峰雄作」などのペンネームで作られた曲にまつわる話をしてみたいと思います。
1980年1月にリリースされた「グッド・バイ・ソング」(作詞&作曲・舟木一夫)は俳優で歌手の三ツ木清隆さん、歌手の西村協さんらに提供されています。また、ピンク・レディーが1981年3月31日に東京・後楽園球場で行った解散コンサートのラスト曲として歌われました。彼女たちを担当していたビクターの飯田久彦さんから舟木さんに「オーラスで使いたい」と連絡があったといいいます。
♪静かに灯りがおちる 小さな旅路は終わる グッバイ・ラブ グッバイ・ソン
グ 明日の出逢いのために……
1968年3月、舟木さんが「高峰雄作」というペンネームで日活映画「残雪」の主題歌を作詞したことを知った当時30歳のお千代姉さんこと島倉千代子さんから「いい詩だったわ。私にも書いてよ」と頼まれて作ったのが、1968年11月にリリースされる「慕情はかなく」(作詞・高峰雄作、作曲・市川昭介)です。レコードジャケットは大ヒット曲「愛のさざなみ」を思わせるデザインになっていますね。
♪さよならも告げずひとりで あの人は… いつかどこかへ… 旅を行く風よ…
くちびるの紅のかおりを 運んで下さい… あのひとに
また、舟木さんは「KAZUO」というペンネームで、ワーナー・パイオニアの荻野目洋子さんらによる3人組女子アイドルグループ「ミルク」のデビュー曲のB面として、「クリスタル・マイ・ラブ」(作曲・竜崎孝路)を提供。1980年8月にリリースされています。舟木さんは“作詞家”、“作曲家”としても早くから活動されていることが分かりますね。
さらに、最近では、亡くなる直前の船村徹さんから「よろしく頼む」と言われ、2016年2月にリリースされた船村さんの最後の愛弟子、村木弾さんのデビュー曲「ござる～GOZARU～」(作曲・船村徹)をはじめ、2017年4月発売の「都会のカラス／さいはての月」(同)、2018年6月の「明日へ手拍子」(作曲・徳久広司)などの作詞をしています。村木さんのことは、舟木さんが船村さんからどれだけ信頼されていたかを物語るものですね。
以下に、舟木さんが「舟木一夫」以外のペンネームで作詞、作曲した作品を一覧表にまとめてみました。
<里中さとる>
浪花の歌ごよみ 1975年に新歌舞伎座特別公演で披露 作曲・里中さとる
あなたは今 1976年2月
友よ 1977年8月 アルバム「一葉舟」に収録 作曲・浜圭介
想い出通り 1977年8月 アルバム「一葉舟」に収録 作曲・岩鬼まさみ
眠らない青春 1976年8月 アルバム「レマンのほとり」に収録
作曲・岩鬼まさみ
別れの部屋 1976年4月 作曲・岩鬼まさみ
噂めぐり 1976年4月 「別れの部屋」のB面 作曲・里中さとる
<すずきじろう>
夜汽車は北へ 1977年2月 アルバム「一葉舟」に収録 作曲・浜圭介
愛終 1976年8月 アルバム「レマンのほとり」に収録
作詞は「鈴木じろう」 作曲・幸田成夫
ちぎれ雲 1977年9月 アルバム「愛はまぼろし」に収録
作曲・里中さとる
江戸の淡雪 1977年6月 アルバム「限りない青春の季節」に収録
作曲・山路進一
総司が行く 1977年6月 アルバム「限りない青春の季節」に収録
作曲・山路進一
怪傑!児雷也 1977年1月 作曲・渡辺宙明
さくら仁義 1977年1月 「怪傑!児雷也」のB面 作曲・幸田成夫
恋唄 1977年1月 「一葉舟」のB面 作曲・浜圭介
<高峰雄作>
残雪 1968年3月 作曲・戸塚三博
ふたりだけの街角 1968年9月 「銀色の恋」のB面 作曲・山路進一
慕情はかなく 島倉千代子に提供 作曲・市川昭介
たそがれはいたずら 1969年2月 アルバム「ワンダフル・ボーイ」に収録
作曲・萩原雅人
若い夜 1971年3月 アルバム「花のステージ第10集」に収録
作曲・萩原雅人
◇
《2023年コンサート・スケジュール》
■2月16日(木) 埼玉・大宮ソニックシティ
14:00
■2月24日(金) 東京・かつしかシンフォニ
ーヒルズ
14:00
■3月1日(水) 静岡・アクトシティ浜松 14:00
■3月18日(土)～23日(木)
大阪・新歌舞伎座 シアターコンサート
14:00～16:30
■3月27日(月)～29日(水)
東京・新橋演舞場 シアターコンサート
各 14:00
■4月12日(水) 千葉・松戸森のホール21 14:00
■4月14日(金) 群馬・高崎芸術劇場 14:00
■4月25日(火) 東京・中野サンプラザホール 15:00
■5月10日(水) 岡山市民会館 14:00
■5月11日(木) 広島・上野学園ホール 14:00
■5月26日(金)～28日(日)
京都・南座 シアターコンサート 各13:30
■6月5日(月) 大阪・ふれんどコンサート
大阪・メルパルクホール
14:00
■6月7日(水) 愛知・日本特殊陶業市民会館 14:00
■6月12日(月) 東京・ふれんどコンサート
文京シビックホール・大
ホール 15:00
■6月21日(水) 神戸国際会館 14:00
■6月22日(木) 大阪・梅田芸術劇場 14:00
■7月 東京・浅草公会堂
■7月3日(月) 秋田・あきた芸術劇場ミル
ハス 14:00
■7月4日(火) 宮城・東京エレクトロン
ホール 14:00
■7月11日(火) J:comホール八王子
14:00
■8月7日(月) 埼玉・ウエスタ川越
14:00
■8月24日(木) 埼玉・川口総合文化センター
・リリア
14:00
■8月31日(木) 神奈川・相模女子大学グリー
ンホール
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2022年6月5日にスタートしました「akiraの青春賛歌」。溯って読んでいただい
ている皆さまのために、これまでのブログの内容がすぐ分かるように「目次」を
作りました。ご参考にしていただければと思います。
