「北の出船」について~追記 

 舟木一夫さんが歌われた組曲「北の出船」について、舟木さんのファンの方、舟友さんに情報提供を呼びかけましたところ、「セブンアップ」さんから早速お知らせいただきました。「舟木一夫 詩秋」というパンフレットに掲載されているということでしたので、早速私の資料の中から探し出しました。お恥ずかしいことですが、この中に記されていることは全く知りませんでした。皆さまと情報を共有したいと思います。

 

 ■舟木さんが歌われたのはいつ、どこで?

1975(昭和50)年11月2日、3日に東京郵便貯金ホール、並びに11月30日に大阪万博ホールで行われた「舟木一夫 詩秋」と題されたコンサートの第1部で「組曲 北の出船」として歌われました。時間についての記載はありませんでしたが、舟木さんによると22~23分ということです。

 

 ■ステージの構成など内容は?

〇「北の出船」⇒作詞・横井弘、作曲・舩村徹、編曲・栗田俊夫

〇ステージ⇒構成演出・広田康男、司会・徳光和夫、ナレーション・松本典子、ゲスト・木村好夫(ギター)    ※松本典子さんは「その人は昔」で“声”を担当された女優さん

 

 ■「北の出船」の内容は?

昭和初期、貧困の中で病いのために亡くなった恋人を悼む青年が、恋人の故郷である北国の浜辺を訪れ、霊を弔うとともに短くも美しい愛に決別する……。

 

 ■舟木さんの「ご挨拶」から

「北の出船」は今までのものとは少し趣が違っている。第一に背景が現代でないこと、第二に和服で歌う“組曲”だということ―としています。

 

 ■横井弘さんの「組曲によせて」から

横井さんによると、ある日突然、舟木さんから組曲の作詞をしてほしいと依頼があり、美しいロマン、抒情の世界を求めていることが分かったということです。一筋に抒情歌謡の道を歩いてきた舟木さんの情熱と意欲に応えたいと筆をとった―と記されています。

 

 ■船村徹さんの「楽想」から

昭和50年晩秋の青函連絡船の上。北海道を舞台にした組曲の作曲を依頼され、「今度の北海道行きは、相応の取材旅行でもある。北国の天地の味をたっぷり吸いこんで置くとしよう…」としながらも、函館の湾に入るころにはポケットウイスキーもからになった…。船村さんらしいですね。

 

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 資料として保管しておきながら、このパンフレットは一度も目を通したことがないと思います。「セブンアップ」さんのご指摘がなければ、日の目を見ることがなかったのではないでしょうか。これによって「北の出船」は一夜にして“幻の組曲”ではなくなりました(笑)。昨日も書きましたように、ある信頼できる方を通じて舟木さんにもご連絡させていただくつもりです。