ある日のお昼過ぎ、お釈迦様が蓮の咲く池をのぞき込みました。
透き通った水の下では、罪人たちが地獄の池でもがいています。
お釈迦様はカンダタという男を目にとめ、彼に向けて池の上から
場所は変わってここは地獄……。
暗闇に差し込む糸という光は、零れてきた天からのチャンス……。
そして、天空への道。『挑戦』という名の極楽の誘惑!
糸は目の前だ。カンダタ、その糸をどうする、どうする!?
手を伸ばし……今! 掴んだ! 昇ったぁ!
さあ、レースの始まりです。
人生という名の過酷なレース。彼らはそこに悪の華を咲かせ、
今なお地獄の淵でのたうつ大いなる悪人! 偉大なる愚者たち!
天より伸びる一本の糸は一筋の希望か、届かぬ絶望か!?
それを決めるのは罪人の意思か、天の采配か!?
地獄一危険な昇り棒は待ったなし一方通行進行中!
本命カンダタ昇る、速い! 鬼の形相で天へと吠えるか!?
対抗馬シンデタも負けていない! 伊達に死んでないこの男たち!
おおっと奥から追い上げてくるのは大穴ジルドレー!!
糸の先には幼女は見えるか、お前の髭はまだ青いか!?
天国への扉はロリコンに微笑むのか、ジルドレ速い! 速いぃ!
最終コーナーを昇って三者横一線、ゴールは目前、
ああぁ~っとぉ! ゴール! ゴールしたのはジルド……(プツン)
……お釈迦様は憂鬱そうにため息をつくと、落ちていくカンダタに
悲しそうな目を向けて、財布をしまい蓮の池から離れていくのでした。