ヤンデレの幼馴染女子に思われて外にも出られない話
「は~い、いらっしゃい!
わざわざうちまで来てくれてありがとね!
うん?相変わらず大きな家?どうしたの、改まって。
昔からよく遊びに来ていたじゃない。
まあでも、あの頃から少しリフォームしたし、
うちに来るのは随分久しぶりだものね。
ん?きれいな家になったって?ふふ、褒めたってなんにも出ないわよ?
あ、いけない。立ち話もなんだし、あがって。うん、いらっしゃい♪
ほんと、無駄に大きくて参っちゃうのよ、この家。
まったく、パパとママははこんな大きなおうち作っておいて、
自分達はさっさと海外に別荘を買って、引っ越しちゃったんだよ?
今は私が一人で住んでるのよ。
…とうちゃ~っく。ここが私の部屋よ。さあ、あがって~。
懐かしい?少しレイアウトは変わったけど、子どもの頃よく一緒に
遊んだの部屋よ。また君がこの部屋に来てくれて、本当に嬉しい!
好きなとこに座って。
って、こらこら。そんなマジマジと女の子の部屋をジロジロ見ないの!
うちより綺麗?もうっ、相変わらず部屋のお掃除してないの?
今度片づけしにいってあげるね。しょうがないなぁ~。
君は相変わらず片付けは苦手みたいね。まったく…。
ああ、そうそう。見てよ~。ほら!
君と遊んでた頃のものが、いくつかそのままになっているんだよ!
あの柱の傷とかね。記念に直さないで残してあるんだ~。
二人で沢山、背比べとかしたよね~。
最初に始めた頃はさ、私も君もほとんど背が変わんなかったんだよね。
それが段々君が私の身長越えて行ってさ~。
え?よく覚えてるなって?当たり前じゃない。
君と私、二人の大事な思い出だもん!
色々あったよね…。幼稚園のころの一番の思い出は、なんといっても
おままごとかな~?ねぇ、覚えてる?
君さ、私のこと「姫」って呼んでくれてたんだよね~。
なぁに?ふふ、今更照れないでよ。私すっごく嬉しかったんだよ?
お姫様扱いしてもらえて。
小学校になってからも、外で遊んだあと、うちでゲームしたりしたね!
ほら、二人ですっごいはまって、ず~っとやってたゲームあったでしょ?
そうそう、君が持ってきたあれ!
お互いが使っていたキャラが、それぞれに違うキャラと結婚しちゃってさ。
私、すっごい寂しかったんだ…。君も「俺達で結婚できたらいいのにね」って
いってくれてたよね。うふふ。そういえばあのゲーム、今でも押し入れの中に
残ってるよ。今度、一緒にやろ?なつかしいな~。
きっとやってて笑っちゃうね。
…ケンカもしょっちゅうしたしけど、君との思い出は全部私の宝物だよ。
中学に入って、君が転校しちゃって、ずっと会えなくって…。
このまま私達の関係も切れちゃうのかな…って。
とっても不安になったこともあったんだよ?
でも、奇遇だよね。まさか大学で君と再会出来るなんてさ。
しかも同じ学部。同じ学科!
やっぱり私達、運命の赤い糸っていうの?そういうので結ばれてるんじゃ…。
あー!笑わないでよぉ。もう。私は本気で思っているのにぃ。
私と君は…そう、ずっとずっと一緒にいるんだ…てね。
子供の考えとか、言わないで…?
あ、すっかり昔話に夢中になっちゃった!
飲み物も出さないで…ごめんね!気が利かなかったね。
コーヒーで良い?砂糖とミルクは…。え?いらないの?
ふうん。昔は苦くて嫌い!とか言っていたのに…。え?大人になったって?
うふふ、そうかも。でも、君はいつまでも変わらないよ。
私の大切な幼馴染。
コーヒーおまたせ~。えへへ、良い香りでしょ?
きちんと豆から挽いて入れて来きたんだもん。
熱いよ、気をつけてね?
よ~く味わってね。私の自信作!あ、おかわりもあるからね。
ん?あれあれ~?どうしたの~?…あったまって眠くなった?
ちょっとぉ…。まだ来たばっかりじゃない。
疲れてたの?無理、しないでね。
こっちきて。私のベッド使っていいから。少し休んで?
いいの、謝らないで。少し休めば眠気もきっとどっかいっちゃうわよ。
うん、おやすみ~…。ん?
あ、羊でもかぞえてあげよっか?
え?ふふ、照れないで。え~っと…
羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹。羊が…ってあれぇ、もう眠ったの?
…まぁ、あれだけコーヒーにたっぷりクスリを入れたんだから、
当然かもしれないわね。
…ふふ、ようやく…ようやく、君を手に入れた。
もう、ずっと放さない…。大好き。大好きだよ…。
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おやすみなさい☆
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