モーパッサン『脂肪の塊』『テリエ館』 | ダンス徒然草 〜千葉・社交ダンス教室のあれこれ〜

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急に涼しくなりましたな。


風邪ひきませんように。




で、読み終えました。


モーパッサン
『脂肪の塊』
『テリエ館』です〜


こないだの『女の一生』がまあまあ読み易かったので。


こちらは2作とも短編。



で、読んでみた



♠︎『脂肪の塊』

“脂肪の塊” (ブール・ド・シュイフ)とは、ある太った娼婦のあだ名。


プロイセンとの戦争に敗れたフランスで、乗合い馬車に乗り合わせた10人のフランス人。

道中の町で、プロイセンの士官がブール・ド・シュイフを抱かせないと出発させないと言い出したから、さあ大変。

愛国心の強いブール・ド・シュイフは拒否するけど、足止めをくらう他の人々はブール・ド・シュイフに親切にしてもらったことも忘れて、一生懸命ブール・ド・シュイフを説得し………


娼婦ながら愛国心強くプライド高く人情にも厚いブール・ド・シュイフ

薄情で自分のことしか考えない上流階級や金持ち

愛国心や信仰心を持ちながらもブール・ド・シュイフを助けようともしない偽善者の民主主義者や修道女

…という3者の対比。

まさに正直者はバカを見るわけですが、印象に残るのは、民主主義者や修道女。

こいつらの偽善者ぶりが見事なわけですが、でもこういう偽善は、世の中のほとんどの人と同じ。

私も、世の中にどんな問題が山積していようと、ほとんど関心も示さなければ、ましてや行動なんてしない。

自分が生きていくだけで精一杯ですよと言い訳して、自分に都合のいいことだけを支持する。

だって人間だもの………

そんなわけで、読んで気分の悪くなる小説でした。



♥︎『テリエ館』

娼館である“テリエ館”の娼婦たちが、キリスト教の儀式・聖体拝受に参加する物語。


町に一軒しかない娼館兼カフェのテリエ館は毎日大人気。

それがある日突然お休みになり、町の男たちは大パニック。

テリエ館の女主マダムは姪の初めての聖体拝受に出席するため、金髪美人フェルナンド、ユダヤ美人ラファエル、あばずれローザ、莫連女ルイズ、ぶらんこフロラ、を引き連れて田舎へ向かう………


『脂肪の塊』とは打って変わってひたすら楽しい作品。

6人の娼館の女たちの賑やかすぎるパワーが、周りの人達を生き生きと引っ掻きまわす。

町の男たちを混乱に陥れ

聖体拝受の儀式では、何故か神がかった感動の嵐を引き起こし

マダムの弟を欲望に駆り立て

最後はもうお祭り。

娼婦を扱った作品の中で1番楽しかった。



モーパッサン、まあまあ面白かったな。



お次はどちらにしようか