日本の音大を受けず留学するという選択 2 | パリと音楽と大学と

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パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

「日本の音大を受けず留学するという選択」


前回はメリットと思われることを書きましたので、今回は、ちょっと違う角度からとらえていきましょう。


書くのを忘れていましたが、学費という面でもフランスの場合はメリットと言えばメリットです。国立・公立であれば、学費はないに等しいというのがひとつ。私立であっても、日本の公立大学程度の学費ですみます。生活費は高いのですが、それもたとえば東京に出て下宿する、ということを思えば大差はないのではないでしょうか。


そんなわけで「日本の音大4年間にかかる費用」と「フランス音楽学校の費用」は、とりあえず同等、とみなします。(アメリカやイギリスは公立でも費用が高く、その比ではないと思います。)


ならば、外国に行ったほうがいいかも。


また音大にはそれぞれの学校の特徴があると言われます。私はあまり感じたことがなく、よく知らないのですが、楽器によっては、「○大に受かりたいのならこう弾け」「その弾き方は自由すぎる」ということを、時々聞くのです。ですから「音大でそこの方針に閉じ込められるのがいや」あるいは、逆に才能をつぶされる、と思う場合は、why not, 早い時期の留学を考えることにつながります。


また早い時期の留学は「18組」があるようにフランスでは幾つかの楽器演奏者にはふつうのことになってきています。大学卒業の22歳を待っていると国立の入学試験の年齢制限に引っ掛かるからです。


そうそう、コンクールも日本以外のところにたくさんありますから、これも、受けやすくなると言えるでしょう。13時間飛行機に乗ってやってくるよりも、「お隣の国でコンクールを受ける」のですから負担が減ります。


さて、あれこれ経験し、大学と同じ4年を過ごした後、日本へ帰るとしましょう。

この時点での日本での肩書きは「高卒」でもあります。


これをどうとらえるかどうかは各自次第だと思いますが、学歴社会に慣れている人から見ると、高卒であることは事実となります。


特にフランスの音楽学校は「大学」ではありません。


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