日本でもフランスでもお勧めするのは
初見をつみかさねること。
初見用の楽譜を買う必要はありません。
自分の専門の楽譜をどんどん買って、あるいは借りて、音にするんです。それだけです。譜読みが少しずつ早くなっていき、長期的に役に立ちます。
上達するつもりがなくてレッスンにいっている
(通わされてる)場合には
不要ですが
日本には「初見の新曲本」がたくさんあります。
大学では毎週本当に「新曲」が登場しました。
先生方大変だと思います。
声楽が殆どのクラスなので、歌うための新曲でしたが、たしか、他の楽器でも歌っていたと思います。ちがっていたらごめんなさい。ピアノ科のための新曲なら両手を使う曲を作らなくてはならないし、そうしたら30人という人数では授業が不可能だと思うので、歌っていたのではないかと思います・・・・これは絶対音感の訓練にはなると思います。
受験でもたしか「新曲視唱」ではなかったかな?
日本は、ある程度ドレミがうたえてないと音大に入れない、と言う話。
一転してフランスはどーか?
これが・・・・・・・雑歌屋サイト でも書いていますが、コンセルバトワールで学ぶのは、音を「ドレミで読む」こと。リズムをもちろんつけます。「読んでドレミを言う」だけですから、3オクターブくらいの曲だっていけるし、どんな低い音でもあり。
ハ音記号も5、6年目くらいからジャンジャン出てくるんです。
あ、日本なら大学生活は終わっている。
8年間やるのが普通のソルフエージュ、さぞかしすごい・・・と思わされるのですが、
「ドレミで歌えない」
のは大きな欠点。
声楽も。
最も大人になってから始める人も多いので、それが原因で苦労します。
フィリップ・ジャルスキー氏に「バイオリンより音程が正しい歌手がいるんだね」というおほめの言葉を漏れ聞きました。ただフィリップの場合、声楽の前にバイオリンを長年やっていたのでその意味で大変得だったのです。歌を始めたのは18歳だったか20歳だったか・・・(後輩なのに忘れてしまってごめん)
「日本人は初見に強い」
というフランス人がいますし、私もそう思います。
日本人で「楽譜が読めない」とおっしゃる方は、
自分自身で楽譜を読んで音にする自信はないということがあるかもしれませんが、
「今うたっているところがどこか」くらいはわかる、「指摘された音」の場所も分かる。
・・・つまり、実は読めているのです。
フランス人の「読めない」というのは、
いわば私が「中国語を発音できない」
または、「ロシア語やギリシャのアルフアベットの読み方がわからない」
ということです。
「読めない」という言葉通り、
「これはなんですか?」状態なのです。
日本では学校でみなが楽譜を目にしますが、フランスはそれもありません。少しずつかわりつつあるので今後は変わっていくことを期待していますが・・・・。また数少ない「音楽の授業があった」というフランス人は「詰まらない授業だった」ということが多い・・・
10歳過ぎていきなり楽譜の読み方を習うのでは、そりゃめんどくさいことでしょう。
日本人がなぜ初見に強いか?
小さい時から楽譜を目にして読み始める人がほとんどだからです。
私にとっては楽譜は「読み書き」のひとつです。
本を読む時、感じの読み方でつっかえたり、文法がわからなかったら意味がとれないし、進みも遅い。
よって、読書嫌いとある可能性があります。
読書は読むだけではなく、その先に受け取るものがあり、それが大切なはず。すらすら読めないということは、そこになかなか到達できない。
音楽も同じ。楽譜は何かを伝える手段でしかありませんから、そこで時間をとられると、もしかして損することもあるかも・・・と思うのです。
ただし楽譜が読めなくてメロディと歌詞を口移ししてもらう歌手の場合は、全部を読み終わった頃には暗譜ができています。それはそれで得なのか・・・な?
「楽譜を持って歌うの?」と驚かれたことがありますが、その歌手には、おかあちゃんがいつもピアノを弾いて差し上げていたようです。はあ。
散文しましたが、よって、初見をお勧めします。
無料で参加できるようなら、これ、フランスではとるとおもしろいクラスです。