フランス観察・批判 | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

recul 後退・・・「距離をとること」でもあります。この言葉は私には大事なことです。

フランス人の小さな輪の人とのお付き合いの中で、どれほどのことを勉強できるでしょうか?


フランスのお屋敷にお邪魔して、その台所にまないたがなかったら「フランスではまないたを使わない」と信じても無理はない。その家の人が台所洗剤で手を洗ったら「フランスでは台所と手を洗う洗剤は一緒なんだ」と信じても無理はない。


「フランスでは家の中で皆靴をはいている」と信じるのも無理はない。しかしこれはけっこううそでして、みなさん家では「ちがうはきもの」ということがあります。お客さんの時は靴のままかもしれません。


こういったことは、杯めてみるとドキッとすることでもあります。逆にいえば、まさしく「おお、日本と違う!」と、期待通りの出来事ですから、強く心に刻まれます。しかしだからといって「フランスでは」と一般的な話にできないことが、結構あるような気がしてならないのです。


prendre recul

いろんなことを見聞きして、それが50家庭のうち40軒くらいあれば「フランスでは」といってもよいのかも知れません。でもできれば「どこでもそうなのかしら?」と疑問に思って友達に尋ねまくるくらいの方が、世界がだんだんひろーく見えてくるのではないか、なんて、思います。


留学は「日本よりフランスの方がすぐれている」「日本はフランスより優れている」と優劣をつけるためのものではありませんし、い文の国を卑下する機会でもありません。「日本はこうだしフランスはこうだ」と、見聞を広めるよい機会だと思うのです。なおかつ「フランスは外国を代表するものでもない」ということも、あたまのかたすみにいれておくと、冷静にものをみられる・・・かもね。


はい、過去の自分へ向かって書いてます。