留学生日記56~こっちもおんぼろ校舎~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

以前に書きましたように、この時期、私は二つの学校を掛け持ちしていました。ノートルダム聖歌隊も、実技のある学校です。もう一校は、やはり興味の強かった、古楽科のある学校。パリ市立音楽学校・・・と思っていましたが、本当は「パリ国立”地方”音楽学校」というややこしい名前でした。


フランスには国立音楽学校は2校。パリとリヨンにある音楽学校です。

私の行った学校は”CNR”と呼ばれる学校。なぜ、国立で地方科、というと、国と、地方(この場合はパリ市)がお金を出し合って経営しているから。CNRは、フランス中の比較的大きい町にあります。


「国立」は、以前マドリッド通りにありました。私が通ったのも同じ住所。数年前に国立はパリの町外れに大規模に新設されたのです。その場所が空いたので、めでたくCNRが収まりました。それまでCNRが何処で授業を行っていたか?あちこちを「借りていた」とききます。なにせ、授業ができればそれでよく、建物があるかどうかは一番大事な問題ではないようです。(語学学校もそうでした)


とはいえ、お下がりの校舎って、それなりに歴史を感じました。それまでの「国立」のあった学校なので、フランスの有名な作曲家やピアニストはこの校舎で勉強をしていたのですが、それを感じるにはどうも、20世紀のその頃・・・・ちょっと・・・ガタが着すぎていた校舎でした。


オンボロでした。