ところで、この「ピアニストとのレッスン」というのは、日本で言うなら、「コレペティとの練習」だろう。
コレペティが何語なのか、カタカナで聞いたことがなくてわからなかったが、おそらく、corepetiteurだと思う。
coは共同、見たいな意味。repetiteurは、repetitionがまず「繰り返す」リピート、の意味で、”練習させる人”というところか。
もっとも、学校ではこういう呼び方をしない。
chef du chantという。シェフ・ドウ・ション
歌の「コーチ」だ。
シェフというのは、レストランのシェフと同じ、オーケストラの指揮者も同じでシェフと呼ぶ。
という意味では、コレペティは、オペラ用の表現に思える。
(しかしフランス語っぽいのだが、この言い方を全く聞いた事がないのが不思議だ・・・)
レッスンにはピアニストだけで、歌の先生はいない。
ピアニストが伴奏部分を全部弾いてくれるし、解釈、分析も教えてくれる。
もともとオペラ歌手に曲を覚えさせる役目で発達した職業ではないか、と思う。
ピアニストは、どんな言葉、スタイルの作品でもどんと来い、というところ。日本語はダメかもしれないけれど。
話がそれるが、日本の音大では、学生のピアニストに伴奏を頼み、レッスンに一緒に来てもらっていた。
だが、こういうコレペティ、(解釈や指導を求めないとしても、)伴奏を頼んだら、ぱっと弾いてくれるようなピアニストがクラスにいたら楽なのに・・・と思うことも多かった。
ピアニストにとっても本来は勉強になるので、それはそれでもよいと思うが、これに時間を「とられた」学生も多かったのではないだろうか。好きならば別であるが・・・・
日本の音大でまだ開発できることがあるとしたら、こういうピアニストを養成すること。
そして、その以前の問題として、伴奏ピアニストを雇うことを考えなければならない。
養成して仕事がなかったら意味がない。