恩師 Mio Morales氏との出会い
恩師 Mio Morales氏との出会い私がアレクサンダー・テクニーク教師になって間もない頃、運命的な出会いがありました。アメリカから来日していたアレクサンダー・テクニーク教師、Mio Morales(ミオ・モラレス)氏です。彼はもともとドラム奏者であり、作曲家としても活躍してきた音楽家。その一方で、アレクサンダー・テクニークを、アレクサンダー氏の直弟子であるフランク・ピアース・ジョーンズやマージョリー・バーストーに師事し、すでに50年以上、この探究に関わってきた大ベテランでした。⸻🎵大きなワークショップでの出会い出会いの場は、100人規模の大きなワークショップでした。当初は個人的なやりとりなどなく、私はむしろ「彼は音楽の人だから、自分には直接関係ないかもしれない」とさえ思っていました。けれど、彼のアプローチを一日中見ているうちに、あることに気がつきました。例えば、ある受講生が「ピアノを弾きたい」と言うとします。ミオはまず、ピアノを弾く前に「そのピアノまで歩いて行く」動作を取り上げるのです。「その歩いていく姿が素晴らしければ、1,000,000ドルを払おう」――そんなユーモラスな約束をして、みんなを一度リラックスさせてから始めます。そして、いざ楽器に近づくにつれて“気づき”が薄れていけば、すぐに「ストップ」。もう一度スタート地点に戻されてしまいます。結局、最後まで1曲を弾くことはない。けれど、そのプロセスを通じて、「どんな行為であっても、一瞬一瞬に気づきを戻さなければならない」ということを徹底して体験させていたのです。⸻🌱私自身の子育てとの重なりこのアプローチは、私自身の歩んできた道と深く重なっていました。子育てや家事、仕事に追われる日々の中で、私は「学校に通えない時間があっても、自宅で“自分に気づき続ける”こと」を実践してきました。「アレクサンダー・テクニークをこんなふうに捉えている人が、他にもいるんだ!」そう気づいたときの驚きと喜びは、今も忘れられません。⸻🔍骨や筋肉の知識よりも、大切な問いアレクサンダー・テクニークにはさまざまな先生がいます。タッチ(手でのガイド)を重視する先生、解剖学や生理学に詳しく知識を駆使する先生。その中でMioは、私が出会った中では初めて、骨や筋肉の名前を一切持ち出すことなく、ただ一貫して問いかけ続けていました。「今、この瞬間、あなたの注意はどこに向いていますか?」それだけを。彼の教えはとてもシンプルでした。「刺激に対して、どう反応するか?」――その一点を徹底的に学ばせる。本質を突いたこの教え方に、私はすっかり魅了されてしまったのです。⸻✨直感での弟子入りこの出会いは、日本でたった一度だけの招聘でした。「この先生には、何かがある!」そう直感した私は、無謀にも直接コンタクトを取りました。そこからオンラインでの学びが始まり、なんと今年(2025年)で11年目になります。あの日の一歩が、私の人生を大きく変えました。⸻📖次回予告Mio Moralesは、長年「生徒が自分で“やめる力”を身につける方法」を探し続けてきました。しかし、アメリカでは大きな壁が立ちはだかっていたのです。その壁とは――?