2006-03-06
こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。
ブログの第162号をお届けいたします。
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寒い日と暖かい日が交互にやってきています。寒い日には「ああ、まだ春は遠
いのかな」とも思いますが、暖かい日は一気に気温が上がって汗ばむくらいの陽
気になります。
やはり春は確実に近づいてきているのです。
そういえば気象庁からは今年の第一回目の桜の開花予想が発表されました。
それによると3月は気温の高い日が続くので、開花予想日は例年より少し早いと
か。
今までが寒かったですから、これでバランスがとれるようになるのかも知れま
せん。
今回は取材の様子ではなく、一台の一眼レフ・デジカメのテスト撮影の様子を
お届けしましょう。
ごく最近、新しく一眼レフ・デジカメを購入しました。何回か前のブログで、
ミノルタ・αレンズシステムの紹介をしましたが、せっかく揃えたレンズシステ
ムなので、フィルムカメラだけでなく、デジタルカメラでも活用したいと考えて、
コニカミノルタの「α-SweetDigital」購入しました。
http://ca2.konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
ミノルタのαシステムに関する技術資産はSONYに譲渡され、やがてはSO
NYからαレンズを使用可能な一眼レフ・デジカメが発売されるかも知れません。
しかしデジカメはフィルムカメラと異なり、撮影した情報をボディ側で、どの
ように処理するかで、保存される画像ファイルの画質が違ってきます。
コニカミノルタとSONY、どちらが良い悪いという問題ではなくて、現時点で
のミノルタの最後のデジタルカメラを保持しておくことは決して悪いことではな
いと考えての購入でした。
この時点で、コニカミノルタから、2種類の一眼レフ・デジカメが発売されて
いました。「α7-Digital」と「α-SweetDigital」です。
http://ca2.konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a-7digital/
http://ca2.konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
前者の方が、ボディの仕様はプロスペックになっていて、多くのオプションが
用意されて拡張性が高くなっていますが、しかしボディが大きく重く、取り回し
に難があると感じました。そして肝心の画質に関しては、600万画素という、
メーカーのフラッグシップ機としては一昔前のスペックに止まっていることが問
題でした。気合いを入れて撮影するには、画質面で物足り無さを感じてしまうの
です。
一方、後者のカメラは、入門機という位置づけになってはいますが、画素数は
α7-Digitalと同じく600万画素で、コニカミノルタ独自の手ぶれ補正機能も
搭載されています。これは、基本的な画質の部分で、α7-Digital と同等であ
り、それでいて、ボディは軽量コンパクトで価格も安いときています。
かなり迷いましたが、後者の α-SweetDigital を選択することにしました。

実際に手にしてみた印象は非常にコンパクトで、今まで使っていた Nikon
D100 よりも一回り小さいことが分かります。

購入価格は標準ズーム AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) とセットで69,800円。
一眼レフ・デジカメもずいぶんと安くなったものです。
余談ですが、4年前ほど前に購入した Nikon D100 の価格が26万円、
α7-Digital の発売時の価格が25万ですが、現在では実売価格10万円を割
り込んでいます。
消費者にとってはありがたいことですが、これだけの売価の変動があると、企
業としても利益を上げられないではないかと心配になってしまいます。
コニカミノルタが写真事業から撤退したのも、むべなるかな、という気がします。
さて、時代の趨勢を眺めつつ感傷にひたるのはほどほどにして、さっそく届い
たカメラを抱えて近所にテスト撮影に出かけました。
まずは標準ズームを装着して、近所の庭に咲いている花を接写してみます。
標準ズームの最短撮影距離は38cm、撮影倍率は0.25倍、APS-Cサイズの
CCDの横の長さは約24mmですから、24mm × 4 = 96mm となり、
これは約10cmの大きさの被写体を拡大して写しこむことができる能力を表し
ています。
そして望遠側70mmという焦点距離は、35mmフィルム換算で105mm
となり、これは標準マクロレンズの画角とほぼ同等で、花を拡大して背景をシン
プルに整理して写すにはとても使いやすい画角と言えます。
◆ AFDTズーム18-70mm F3.5-5.6(D)
↓
http://ca2.konicaminolta.jp/products/consumer/a-lens/dt/18-70.html
実際、小さなプリムラの花をこれだけ大きく写せることに驚きました。そして
背景のボケ味も見事です。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm F5.6 )
近年はネイチャー・フォトが隆盛で、写真愛好家の間で花を撮影する機会は非
常に多く、この設計は実に的を射たものだと言えるでしょう。
裏山のお寺を訪れました。山門の手前では梅の花がほころび始めています。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 28mm F8 )
梅の木の一枝を拡大してみました。バックの植え込みからは木漏れ日が差し込
み、それが踊るような丸い光ボケにになって、梅の花の背景を飾ってくれます。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm F5.6 )
望遠70mm側の開放F値はF5.6と少し大きいので、丸ボケの半径がそれ
ほど大きくないのは仕方ないことですが、周辺部の口径食(周辺のボケが楕円形
に変形する現象のこと)が発生せず、画面均一に良好な丸ボケが得られるのには
好印象を持ちました。
梅の花の一輪をクローズアップしてみます。このカメラのセールス・ポイント
は、コニカミノルタが独自に開発した手ぶれ補正機能「アンチ・シェイク」です。
ですので、三脚を使用せずに、あえて手持のみで撮影してみました。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm 1/40 F8 手ぶれ補正なし )

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm 1/40 F8 手ぶれ補正あり )
何枚かテストした中の一例に過ぎませんが、結果はご覧の通りです。手ぶれ補
正を効かせた方が、やや手ぶれが少ないという印象です。
しかしまだ厳密なテストをしたわけではありませんが、何回かテスト撮影をし
てみた感想としては、手ぶれ補正をONにしていても、ブレる時はやはりブレま
す。上記のテスト撮影でも、後者の結果のほうが良いように見えますが、拡大し
てみると、やはりわずかですが、ブレが見られました。
手ぶれ補正機能は、あくまで「補助機能」と心得て、基本的な撮影をきちっと
行う(手ぶれ補正機能があるからと、ルーズな撮影をしない)。必要なら一脚や
三脚を使用してシャープな撮影をするべきだと思いました。
また、当然のことですが、手ぶれ補正機能は「被写体ブレ」には対応できませ
ん。根本的な解決方法は、やはり「撮影ISO感度を上げる」ことでしょう。
さて、このブログでも何回かご紹介している、私の町の裏山にやってきまし
た。寒桜もやっとちらほら花が開いていますが、まだ満開ではないようです。

( FUJIFILM FinePix F10 )
標準ズームを使って、花のいくつかをクローズアップしてみました。アウトフォー
カス部分の柔らかい印象は、さすがミノルタのレンズといった印象です。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm F5.6 )
まだ花開いていないつぼみでも、立派な被写体になりえます。フォーカスの合っ
たつぼみがしっかり写っているのはもちろん、前ボケも後ボケも実に柔らかく、
私の好みに合っていました。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 60mm F5.6 )
標準ズームから、今度は大口径50mmF1.4の単焦点標準レンズに交換し
てみます。苦労してて手に入れたαレンズが全て使用できる、これだけでもこの
カメラを入手した甲斐があるというものです。

( α-SweetDigital + AF50mmF1.4(New) , 50mm F2.8 )
背景の大きなボケは大口径レンズならではのもの。

( α-SweetDigital + AF50mmF1.4(New) , 50mm F2 )
50mmの焦点距離は35mmフィルム換算で75mmとなり、これはポート
レイトや花撮影の時に、適度な画角で画面に立体感をもたらしてくれます。
寒桜はまだ咲ききらないようですが、道ばたには黄色に春のスイセンが花を開
かせていました。上向きの視線が元気な様子を物語っています。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 70mm F5.6 )
黄色い薄い花びらの透明感は、コニカミノルタらしい絵作りだと思いました。
ちなみに、RAWファイルから自分で画像処理してみましたが、なかなかこの色
合いは出せませんでした。下手にRAW現像をするよりも、カメラ側の画像処理
に任せてJPEG保存したほうが結果が良いようです。(笑)
(これはまだ私のRAW現像の技術が未熟なせいでしょうけれど)
冬にもかかわらず真っ赤な色をした葉が印象的な木を見つけました。

( α-SweetDigital + AF50mmF1.4(New) , 50mm F2.8 , ※RAW現像 )
このレンズの開放F値はF1.4ですが、F2.8に絞っても背景のボケ味は
柔らかく美しいまま。既にご紹介していますが、これがαレンズの持ち味です。
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テスト初日は曇り空で、コントラストの低い柔らかい描写が得られましたが、
翌日は朝から晴れて、明るい日差しが降り注いでいました。
ご近所で見かけた、終わりかけのロウバイの花も朝日を浴びて輝きを取り戻し
ています。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F8 )
バックには表面に光沢を持つ緑の葉があり、それが光を反射させています。こ
れをロウバイの花のバックに持ってくるようにアングルを調整すると、綺麗な丸
い光ボケが得られます。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F2.8 )
逆光を透かせる花びらは綺麗ですが、さすがに終わりかけの花のシミが目立ち
ます。
そこで「ソフトレンズ」のソフト量を増やして、淡く曖昧な描写にして、その
シミを目立たなくしてあげました。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F2.8 )
背景の丸い光ボケも、淡く柔らかくなっています。
今度は丘の上にある梅畑にやってきました。青空に紅白の梅の花が良く映えま
す。

( α-SweetDigital + AFDT18-70mmF3.5-5.6(D) , 22mm F8 )
紅梅の花一輪をクローズアップします。

( α-SweetDigital + AFマクロ50mmF2.8 , 50mm F2.8 )
横位置で花を撮影するのは案外難しいです。余分なスペースが空きすぎるから
です。前にある花を前ボケに使って空間を埋めてみます。
白梅の一枝をソフトレンズでクローズアップしてみます。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F2.8 )
テスト撮影なので、ソフト量をいっぱいに効かせていますが、これはほどほど
にしたほうが良いでしょう。ソフトレンズなどの特殊レンズは、最初はその効果
が面白くて、それを乱用しがちですが、効果はほどほどに、隠し味程度にとどめ
ておくのが良いのではないでしょうか。さもないと嫌みな作品になってしまう危
険があります。
個人の好みの問題もあるので、これは一概には言えませんが。基本的な撮影技
術をしっかりとマスターした上で、その効果と作品に及ぼす影響、そこから受け
る心理的な印象などを理解し、撮りたい作品のイメージに合うようなら、それを
活用する。特殊効果を使う場合はそういう姿勢が大切です。
話がそれてしまいましたが、今度はSTFレンズを使ってみました。

( α-SweetDigital + STF135mmF2.8[T4.5] , 135mm F4.5 )
この比較で分かるように、ソフトレンズでは画面全体がにじむのに対して、S
TFレンズはフォーカスの合った被写体はシャープに描写して、なおかつアウト
フォーカスの部分のボケ描写が柔らかくなるのが特徴です。
今度は標準ポートレート用レンズと言われる、85mmF1.4のレンズを使っ
てみました。

( α-SweetDigital + AF85mmF1.4G(D) , 85mm , F2.8 )
先ほどのレンズに比べて画角がやや広い分、背景にある別の梅の枝、そして森
や空までが大きくボケて画面に入り込みます。この立体感をうまく活用したいと
ころです。
さらに被写体を探して車を走らせていると、草むらにうずくまっている人物を
見かけました。どうやら地元のカメラマンのようです。

( CASIO EXILIM-ZOOM EX-Z750 )
私も車を停めて、近くに寄ってみました。小さくて分かりづらかったのですが、
草むらには春の七草である「ホトケノザ」がもうたくさん花を咲かせていたので
す。

( CASIO EXILIM-ZOOM EX-Z750 )
今はもう発売されていないミノルタαレンズの100mmソフトレンズを装着
して迫ってみました。最短撮影距離85cmで、なおかつデジカメはフィルムよ
りも画角が狭くなりますから、拡大撮影には有利です。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F2.8 )
ソフトレンズですが、このレンズはソフト効果を0-1-2-3まで調節でき
ます。ソフト効果を効かせない状態では花弁をかなりシャープに描写したので、
驚きました。
専用のマクロレンズとの比較撮影もしてみたいと思いました。
草むらには、瑠璃色をした小さな花も咲いています。オオイヌノフグリです。

( α-SweetDigital + AFマクロ50mmF2.8 , 50mm F4 )
小指の先ほどの小さな小さな花です。ここまでの拡大撮影は、やはり専用設計
のマクロレンズにはかないません。
昨夜降った雨が、草の上にたくさんの水滴を残していました。そこに太陽の光
が当たって、きらきらと輝きます。草の上の水玉にフォーカスを合わせると、ア
ウトフォーカスとなった背景の水玉は、綺麗な丸い光ボケになりました。

( α-SweetDigital + AFマクロ50mmF2.8 , 50mm F4 )
通常、背景の強い光ボケは、レンズの絞りが開放の時にのみ、完全な円形にな
ります。絞りを絞ってしまうと、多角形に変形してしまうものですが、αレンズ
は1~2段くらい絞っても、ほぼ円形が保たれます。被写体はシャープさを増し
て、なおかつ背景のボケは美しいままです。こだわりの人一倍強い、ミノルタの
スタッフらしいポリシーを感じるデザイン(設計)です。
たくさんのホトケノザの中から、特に心惹かれる一輪を選んでみました。今度
はほんの少しだけソフト効果を効かせて撮影してみます。花の周りの草の一本一
本にはまだ多くの水滴が残っていて、それが輝く様子は、万華鏡の中のたくさん
のビーズを光に透かして見たときのようです。

( α-SweetDigital + AFソフト100mmF2.8 , 100mm F2.8 )
朝の光を透過する花弁が美しく、ソフト効果によってその周囲を柔らかい光の
膜が包み込みます。もし花が持つ微かなオーラのようなものがあるとしたら、そ
れを視覚的に表現するとこうなるのかも知れません。それができるのがカメラと
レンズの持つ魔法の力なのでしょう。
春とはいえ3月の空気はまだ冷たく、花をかがんで見ている私の首筋を冷たい
風が吹き抜けてゆきます。
しかしそれでも、先ほど見かけたカメラマンのように、背中を丸めて草むらに
しゃがんでいると、背中は太陽に照らされてポカポカと暖かく、もうすっかり春
の光を感じることができます。
まだ雨の日も風の日もあるかも知れません。しかしこの暖かい日差しが時おり
訪れるなら、まだ地面の中で眠っている多くの春の花が、地上に顔を出してくる
日もそう遠くないことでしょう。
αレンズたちの持つ魅力で、それらの花たちを写し込むことができたら、これ
らの優れたカメラとレンズを設計した技術者たちに贈る、なによりの花むけにな
るに違いありません。
これからも自然風景写真館にどうぞご期待下さい。
◆今回の速報用写真で使用したデジカメ◆
Nikon D100
→ http://www.nikon-image.com/products/camera/slr/digital/d100/
KONICA-MINOLTA α-SweetDigital
→ http://ca2.konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
SONY CyberShot DSC-T9
→ http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T9/
FUJIFILM FinePix-F10
→ http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf10/
CASIO EXILIM-ZOOM EX-Z750
→ http://dc.casio.jp/product/exilim/ex_z750/
★★★ 「季節の便り」の速報用デジカメ画像の生データをDLできます ★★★
今週のブログに掲載された画像データについて、「Exifデータを含んだデジ
カメ画像のオリジナルデータ」を別途ダウンロードできます。
Exifデータとはデジカメで撮影した画像データにカメラの状態や各種の設定
(カメラ名、絞り値、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランス、など)
の情報を付随させたデータのことで、デジカメ画像の分析には欠かせないもので
す。
熱心なカメラマンの方々の参考になればと思います。
ご興味のある方は下記のURLをクリックしてダウンロードしてください。
http://tory.com/j/others/mm/2006/03-06/ExifImages.zip
※Exifデータをご覧になるには "ExifReader","DPEx" などの
優れたビュワーソフトをお薦めいたします。
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§3. 鳥越のテクニカル・ノート
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このコーナーでは、
「ひと味違った作品づくり」
「クオリティの高い作品づくり」
を目指す写真愛好家のために役立つ、ヒントやアドバイス、テクニックなどを紹
介いたします。
フィルムカメラ、デジタルカメラにかかわらず、みなさんの作品作りのお役に
立てればと思っています。
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◆今週のテーマ:「露出補正を素早く簡単に行う方法」◆
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「露出」とは、ごく簡単に言うと、カメラに取り込む「光の量」ということに
なります。
露出の原理そのものは非常に簡単です、レンズ内にある絞りというスリットを
開いたり閉じたりして光量を調節し、シャッタースピードを速くしたり遅くした
りして、フィルムやCCDに当てられる光の量を調節します、
原理は単純なのですが、これだけ電子機器が発達した現代のカメラにおいても、
露出はとても微妙な問題で、いまだに「露出は難しい」という声が後を絶ちませ
ん
順光の風景のような明暗差のそれほど無い被写体なら問題はないのですが、作
品として写真を撮ろうとすると、斜光や逆光など、明暗差の激しい状況で撮影す
ることが多くなります。
光の明暗、陰影こそが作品に力と息吹を吹き込むのですから、それも当然と言
えます。
問題は、光の部分をどのくらい明るくするのか、また陰の部分をどのくらい暗
くするのかは、撮影者の感性にゆだねられており、機械がそれを判断することが
できないことです。
カメラは画面の中の各エリアの光を計測して「標準的な」露出値を計算するこ
とはできますが、それは撮影者が意図する「最適な」露出値では無いからです。
前置きが長くなってしまいました。
露出の問題を真面目に考えるととても奧が深いので、このへんでストップして
おきましょう。
上記のような理由から厳密な露出を決めようと思ったら、「ブラケッティング」
という「露出を少しずつ変化させながら数枚のカットを撮影する」テクニックが
欠かせません。
デジカメですと、撮影後に「ヒストグラム」をチェックすることにより露出の
適正を確認することができますが、フィルムカメラですと結果は現像が上がって
くるまで分かりませんので、なおさらブラケッティングは欠かせません。
たとえば、下記のように、三脚で固定した同じ構図で、3枚、露出を変化させ
たものを撮影して、後で見比べて最適な露出の作品を選ぶというわけです。
(これは Nikon D100 のブラケッティング機能を使って撮影しました)

( 基準露出:1.6秒,F5.6 )

( 基準露出:1.6秒,F5.6 より -0.7EV補正 )

( 基準露出:1.6秒,F5.6 より +0.7EV補正 )
一眼レフのフィルムカメラ、あるいはデジタルカメラなら、この露出補正やブ
ラケッティングの機能は、もちろんあります。
しかしながら、コンパクトタイプのデジカメの中には、このブラケッティング
の機能がついていなかったり、あるいは、「露出補正」の機能そのものが、メニュー
の深いところにあって、呼び出すのに時間がかかったりして、操作性の悪さが目
立ちます。
最近のデジカメは初心者むけに、複雑な機能はどんどん省く傾向にあるようで、
それも仕方のないことかも知れません。
しかし露出補正の機能が無くても、露出補正をする方法があります。
まずは下記の実例写真をご覧下さい。
これは「カメラの標準露出」で撮影したカットです。

( SONY CyberShot DSC-T9 )
たとえばある撮影者がこの画面を見て、「暗いなあ、もっと明るく写したい」
と思ったとします。
その場合は当然プラスの露出補正をすればOKというわけなのですが。
それよりも素早く露出補正を行うには、
下の写真のように、
(1)カメラを下に向けて暗い部分を多くして「シャッターを半押し」します

( SONY CyberShot DSC-T9 )
次に、
(2)半押ししたまま、さきほどの構図に戻して、そのまま押し込む。
そうすると、下記のように、標準よりも明るい写真になります。

( SONY CyberShot DSC-T9 )
逆に「暗部に締まりが無いので、もっと暗く写したい」と思ったら、
(3)カメラを上に向けて明るい空を多くして「シャッターを半押し」します

( SONY CyberShot DSC-T9 )
次に、
(4)半押ししたまま、さきほどの構図に戻して、そのまま押し込む。
そうすると、下記のように、標準よりも暗い写真になります。

( SONY CyberShot DSC-T9 )
操作性の良くないコンパクトカメラでは、いちいちメニューを呼び出して露出
補正やブラケッティングを行うよりは、この方が確実に素早く露出補正を行うこ
とができます。
もちろんブラケッティングのような正確な刻みでの露出変化は無理ですが、お
およその範囲で2~3枚撮影しておいて、後で最適なものを選べば良いのです。
このテクニックはカメラの取扱説明書の中では「AEロック」と呼ばれていま
すが、実は案外使っていない方も多いのではないでしょうか。
このテクニックと、測光方式の違い(パターン測光、中央重点測光、スポット
測光)を知って、被写体によって使い分けられれば、コンパクトデジカメでも、
かなりの精度で、撮影者の意図通りの露出をコントロールすることができるよう
になります。
(測光方式の違いと活用方法については、また後ほど)
みなさんもコンパクトデジカメお持ちでしたら、このテクニックを使って、色
々と露出を変化させて撮ってみてください。
特に光と陰が混在する被写体に有効です。
光の部分を強調するか、陰の部分を強調するか、それによって出来てくる写真
の印象がずいぶんと違ってくることに驚かされることでしょう。
それらをコントロールすることによって撮影者のマインドが写真に反映される
のです。それができるようになれば、写真が楽しくて仕方がなくなることでしょ
う。
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§4.今週のギャラリー新機能
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今週の新機能はありません。
次回にご期待下さい。
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§5.今後のリニューアル予定
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・「お気に入り」システムの作成
・フォト検索ページの作成
・写真販売システムの作成
・撮影機材紹介
・特別展示室(タペストリー表示など)
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§6.その他のお知らせ
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→ http://tory.com/j/others/index_mm.html
※ご意見ご感想などは ( akio@tory.com ) までお寄せください。
※このブログは自然風景写真館 ( http://tory.com/ ) で公開されているものを転記しました。
こちらのサイトもぜひご覧ください。