「えげつない」に「かしましい」(虎に翼#2) | 還暦フリーランサーのおしゃべり処

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元競馬専門紙記者/旧ブログ~「オヤジの競馬倶楽部」~
(ヘイトスピーチはご勘弁)

 2週目に入ったNHK連続テレビ小説『虎に翼』。

 なんでも、「虎に翼」という言葉は、中国の古典が由来とかで、「鬼に金棒」のような意味だといいます。

 

 関東のタイガースファンに「かつて関西では鬼に金棒、掛布に真ん中高め、なんて言い方があった」と教えるとウケる、という話は以前にもした通りですが、「虎に翼」の虎からミスター・タイガースにつながったのか?という可能性はまずありますまい。

 

 言いたいのはそこではなくて。

 

  110作目はBK局とのコラボ?

 

 これは重箱の隅をつついての批判ではないので、予めご承知おきください。

 

 第1週に「えげつない女」というセリフが出てきました。

 

 岡八郎や花紀京で吉本新喜劇を見た世代で、私のような生粋の関西生まれでない人間にしてみると、岡八郎が舞台で口にしていた「えげつな~」は関西弁だとばかり思っていました。

 なので東京の神田神保町近くに住んでいるエエトコのお嬢様(なんですよね?)である主人公が、兄と婚約している友達に向かって発した「えげつない女」には軽く衝撃を受けました。

 

 で、2週目の週タイトルが、

 「女三人寄ればかしましい?」

 

 そう、「かしまし娘」を見ていた世代にとっては、「かしましい」は関西弁だとばかり思っていたのです。

 真偽のほどはこの際、どうでもよくて……。

 

 重ねてお断りしておきますが、重箱の隅をつついて批判しようってんじゃないです。そんなこと言い出したら、書籍のフォントはどうのこうのと……いやいや、だからそういう話じゃない。

 

  過去作品との共通項

 

 先週、『虎に翼』を取り上げた際に、ナレーションが尾野真千子さんであること、それゆえ見続けることになるだろう、と書きました通り、今のところ全話見ております。が、どことなく既視感がある。

 

 初回を見た際に、メインの演出が梛川善郎さんであることは確認しました。どこかで見たよな?と思ったんですが、直近で『おちょやん』のメイン演出を担当されていた人。

 

 あの作品は、元気のいい女の子が、成長する過程でなかなかハードな状況を強いられ、しかしその都度、追い詰められた後に大逆転してカタルシスを得る、みたいなエピソードが多かった。

 なるほど「半沢直樹の作家さんらしいな」と思っていたのですが、『虎と翼』もどことなく似通った展開。

 ナレーションが主人公の心情みたいなものも説明する役目を負っていることも似ていて、『おちょやん』ではしゃべりのプロである落語家の桂吉弥さんでしたから、そりゃ嵌まりますわね。

 

 で、今回の尾野真千子さん。その役目を効果的に、完璧にやってのけてませんか?。今のところ、ですけれど。

 主人公のモノローグではなく、主人公が発するのは「はて」で、言う前後の心の内はナレーションでカバーする。

 もちろん『おちょやん』とは脚本家は全然違う人ですから、単純な比較はできません。ただ、こうした演出手法の場合、脚本がどのように書かれているのかは興味深い。制作サイドがどの程度、口を出しているのだろうか、も含めて。

 

『おちょやん』の富士子

 今週から登場した〝山田よね〟というキャラクターを演じるのが土居志央梨さん。彼女は『おちょやん』で主人公の先輩お茶子さん役で出てました。彼女を観るために序盤のお茶屋編を観ていた気がするほどです。
 実は『おちょやん』も、私の中では後半大きく失速してしまったんですが、彼女が改めて今回の朝ドラで主役に絡んでくれるのかと思うと、やっぱり前向きに観続けることになりそうです。

『カーネーション』の田中

 で、昨日、SNSの朝ドラ評のトレンドワードに、〝湯浅崇〟の名前がありました。朝イチのオープニングで、彼のことを博多大吉さんが「どこかで見たような」と口にしたことに食いついたんでしょう。

 確かに彼は前作の『ブギウギ』にも出てましたし、それこそ『おちょやん』にも出ていて、朝ドラの常連です。そのすべてを追えてはいませんが、もっとも印象的だったのは『カーネーション』の、主人公に洋裁修行の初歩の初歩を教える職人さんの役でした。
 
 そう、ここにいたって『虎に翼』について思うことがあるんですよ……
(長くなるのでまた次の機会に)