タトゥーの逸話(画像ナシ) | 還暦フリーランサーのおしゃべり処

還暦フリーランサーのおしゃべり処

元競馬専門紙記者/旧ブログ~「オヤジの競馬倶楽部」~
(ヘイトスピーチはご勘弁)

 4月1日に記事を3連投した後、「明日のことは夜にでも」みたいなことを書いたのに、放置してしまってました。

 実は今回も別件なのですが、これはどうしても備忘録として残すべき、と思いましたのでご理解ください。

 

 

  初めてではなかったのですが

 

 話は3月31日に遡ります。

 前の日に体調を崩して発熱し、朝、平熱に近いところまで落ち着いたので、JRA馬事公苑に向かったのは既報の通り。

 今回紹介するのは、現地に向かう道中の話になります。

 

 北千住駅で小田急線直通の地下鉄千代田線に乗り換える。これはいつものパターンです。日曜日だろうと車内が混んでいるのも、いつも通り。

 少し通路の奥に進んでスペースを確保。両手で手すりを掴んで目を閉じ、体調の悪さにうんざりしながら車体の揺れに任せることにしました。

 

 すると━

 ほんのチラッとですが、目の前に座っている男性と目が合ったんですね。

 ちょっと個性的なメガネをしていて、着ているモノも靴も、さりげなくおしゃれな感じ。ところが首筋から頭の後方にかけて「ん?タトゥー?」と思ったら、左腕にはビッシリと……。

 

 まあそんなことは気にせずに、こちらは手すりを掴んだ格好で、引き続き目を閉じて体調の悪さに耐えておりますと、隣の町屋駅に着く前に、目の前の男性が立ち上がって「どうぞ」と言うじゃないですか。

 

 町屋で降りるのかな?と怪訝に思いつつも、ひとまず「あぁ、ありがとう……」とだけお礼を言って席に座って彼が扉付近に行くのをみると、町屋駅では降りない……。

 「え?じゃあ本格的に、ただ席を譲ってくれたの?なんで?よっぽど具合悪そうに立ってたかな俺」と気になって。

 

 彼が降りる際に改めてちゃんとお礼を言えたらいいな、と思って様子を伺っていると、西日暮里駅でも、新お茶の水駅でもおりない。そうなれば霞が関とか国会議事堂前では降りずに、表参道か明治神宮前(原宿)だな、と目星をつける。

 で、明治神宮前のホームに到着する前に、彼が降りる気配を見せたところで近づいて、肩を叩いたのです。

 「さっきは本当にありがとうね」

 ビックリした顔は、男性というより、あどけなさが残る青年でしたが、

 「あぁ、いえいえ」

 とニコリともせずに降りて行きました。

 

 首の後ろをグルッと……何かのマークなんでしょうかね、タトゥーが入れられていて、やっぱり左腕だけ肩近くから手首あたりまで、それこそ倶梨伽羅もんもん風の画柄でして……。

(ここで写真を撮っては、せっかくの同志感がなくなってしまいますわな)

 ちゃんと見送ることはせず、彼の好意に甘えてすぐに座席に戻って、改めて眠らせてもらいました。

 

  本当の話なのです

 

 これまでにも、席を譲ってもらったことがなかったわけではありませんでした。ただ、結構前のことでしたし、不愉快なことがあって、しかめっ面をしていた時に、たまたま優先席の前に立っていた時でしたから(大概にしとけよ)、「いけね、ワルいワルい」みたいな感じだったんですね。

 ですからそれ以降は、優先席の前に立つのは、よほどのことでもない限り避けていました。

 だからこそ、

「優先席でもないのに、若い子に席を譲ってもらっちゃったよ~」という軽いショックがあったこと、それ以上に、このトシになって若い彼と共有した時間と、交わした二言三言が不思議な、でも気持ちのいい出来事として、頭に残ったもんですから。

 

 この件。翌日、つまりエイプリルフールにアップすると、作り話のように感じられるかもしれない。ここまで引っ張った理由がそれでして、かと言って、アップしておかないと、いよいよ書くチャンスを失いかねないと思い、こちらでお目汚ししました。大変失礼しました。

 

 また長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村