事後報告を二つ | 還暦フリーランサーのおしゃべり処

還暦フリーランサーのおしゃべり処

元競馬専門紙記者/旧ブログ~「オヤジの競馬倶楽部」~
(ヘイトスピーチはご勘弁)

 タイガースのこと、なんてサブタイトルをつけてアップした記事から1週間も経ってしまった。その間の7試合、タイガースは全部勝ったことになるんですかね?。

 最短で15日にマジックが点灯するとかですが、鯉が10連勝してなかったらどうなってたんですかね。その鯉の思わぬ連敗でゲーム差が開いたわけですけど、鯨が虎に3タテくらった後、きちんと勝ち続けているのもありますし、呑気に構えてばかりもいられないでしょう。

 何しろ本当の勝負は8月末からだと思いますけどねえ。9月の甲子園のチケットを抑えてる身としては複雑な思いもございますれば……。

 ここで08年の「大逆転V逸」を例を出すと、古くからの虎党による岡田監督への怨念みたいになっちゃいますが、あの年は最も重要な主力選手の離脱が痛かったわけで、その新井選手が現在の鯉の指揮官ですから、時代は確実に流れております。そう言えば雑誌Numberが、例によって9月に入ってから〝猛虎復活〟(だったかな?)みたいなタイトルでお祭り騒ぎの特集組んでましたねえ。調子に乗ってる場合じゃなかったのに……。

 

  ~美しき12人~

 で、この1週間ですが、のっぴきならない仕事があって、悪戦苦闘しておりました。と言いつつ、月曜日だけは、滅多に行かない渋谷方面に行ったりもしたのですが……。

 最寄り駅は恵比寿でした。ま、渋谷だろうと恵比寿だろうと、どっちにしてもこっち方面に行くケースは映画か舞台関係なんですけど(たまにライブも)。

 今回はこちら━

 

 『Beautiful Twelve ~美しき12人~』

 

 タイトルから連想される通り、1957年のアメリカ映画『12人の怒れる男』をベースにした舞台作品。演出を担当したのが映画監督の篠原哲雄さんです。

 

 2015年の週刊競馬ブック天皇賞(秋)号で、『おもひでの名勝負』の執筆をお願いしたのが脚本家の田辺満さんでした。その田辺さんから紹介していただいたのが篠原哲雄さんでして、バトンを受け取ってもらう形で翌16年の菊花賞号の『おもひでの名勝負』を執筆していただきました。

 その篠原監督が、初めて舞台演出を担当されるとあって、応援に行ってきたわけです。

 

【ネタバレ注意】

 舞台劇として有名な作品ですので、説明は不必要かと思いますが、ごく簡単に言えば、父親殺しの容疑をかけられた少年裁判についての、陪審員〝1号〟から〝12号〟の、12人による評決にいたるまでの議論の応酬劇、でしょうか。

 

 時代、場所の設定もオリジナルに添ってアメリカのとある街。ですが現在の時代感覚にあわせて、陪審員に女性が4人加わっていたのがミソでした。

 

 独善的思考に取りつかれた3号。レイシストの10号。徹底した合理主義者の4号。この3人と、あくまでも弁証法的議論を用いて討論をリードする8号(映画ではヘンリー・フォンダが演じてましたので主人公としておきましょう)のやりとりが軸になるんですが、本舞台オリジナルの4人の女性陪審員5号、9号、11号、12号が、会話のところどころでアクセントとして機能していたように思います。これは脚本・脚色、そして8号役の一ノ瀬京介さんの発想によるものでしょう。

 

 特に11号が不真面目だった7号を追い詰め、意見を替えた理由を言わせるところなんて泣けましたね。

 泣けると言えば、何をおいてもエンディング近くの3号と8号のやりとりでしょうねえ、やっぱり。

 いや、レイシストの10号が大声で罵詈雑言を吐きまくり、その後に後悔するシーンだとか、スラム育ちの女性5号が生い立ちを吐露するところや老女9号の繊細さ、12号の適当なようでいて聡明な感じ、知性的な4号に、2号と6号の実直ぶり。そして議論が紛糾しても冷静さを保ち、進行役としてきちんと場を取り仕切る1号……とかとか。

 

 とまあ、オリジナルのキャラが立っているのは確かなんですが、今回の演出は見事だったと思いますし、キャストの皆さん素晴らしかったと思います。私が行ったのは千秋楽でしたので、「今日が最後だ」みたいな熱い思いもあったのかもしれません。

 

 舞台が終わった後、篠原監督にご挨拶に伺って、キャストの皆さんの晴れやかな笑顔も見せていただきました。ミーハーにも3号役の清水一輝さんには直接声をかけちゃいましたよ(ミーハーついでに11号役の真凛さんにも……とは残念ながらいかなかった)。

 

 最後に篠原監督とは、

 「今度は競馬の話で盛り上がりましょう」

 とのお声がけをいただきました。そう、篠原監督、お馴染みの長谷川雄啓さんとはご学友とかで旧知の仲(この日も来てましたよ)。田辺さんもブックの編集者も一緒に、なんてことがホントに実現したら、楽しそうだけどなあ……。

 

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