行政視察に行ってきました~四季の郷公園整備事業・和歌山市~ | 鯖江市議会議員 帰山明朗(かえりやま あきお)のブログ

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先日7月22日~24日まで鯖江市議会所属会派にて行政視察を実施。3日目は和歌山市にある「四季の郷公園」において同公園整備事業について研修しました。

和歌山市の南東部に位置する25.5haもの広大な敷地を有する「四季の郷公園」。1991年に農業公園として誕生し、自然と農業に触れ合える公園として、長い間地元和歌山で親しまれてきました。

竣工して約30年が経過し、施設の老朽化・駐車場不足・園内にない食堂や販売所のニーズなどが進んだこともあり、和歌山市では平成28年度にリニューアル基本計画を策定、体験型施設としての再整備のスタートでした。

平成30年度には都市公園として運用開始。

令和元年には和歌山市初となる道の駅として登録され、同年7月からは「道の駅 四季の郷公園 FOOD HUNTER PARK」として運営を開始。

「Be Wild.野生を楽しもう。」をコンセプトに、入口付近には『火の食堂』『水の市場』『炎の囲炉裏』『木の庭』『土の農園』と呼ばれるエリアがあり、たき火で暖を取りながらバーベキューが楽しめたり、農産物直売所で新鮮な野菜や肉が購入できます。

さらに令和4年4月に公園中央部の遊具も新しくなりグランドオープン。『見晴らしの丘』『つき山の遊び場』『ドッグパーク』など自然のアップダウンを活かした自由な遊びにより発想力を育む遊び空間になりました。週末には様々なイベントを開催し、子どもから大人まで楽しめるお出かけスポットとなっています。

 

この事業での特筆すべき点は、和歌山市では初めての試みとなるDBO(Design Build and Operate)方式が導入された点。 DBO方式とは事業設計、施工・管理運営を一体的に発注する方法。

通常の公共事業では設計・施工・管理の入札が別々に行われ業者を選定しますが、DBOの場合は前述の様に一度の選定作業で設計・施工・管理運営まで一括で決定することができます。 

よって、設計者や管理者の意図、これらを初期段階から摺り合わせることが可能で、施工段階でこれらの内容を反映することも容易となります。完成後のイメージに寄り添って進められる方式であるため非常に魅力ある施設作りが可能となるといえます。

 

同事業で、今回このDBOを担ったのは、LLP(Limited Liability Partnership=有限責任事業組合)。設計事務所、ゼネコン、広告代理店、旅行会社、飲食店、物販店など9社で構成。計画段階から運営を念頭にプロジェクトを組んでいくことで、従来の方式に無い運営段階での差異が少なくなるメリットがあります。

 

園内の建築物では、元々ネイチャーセンターとして利用されていた建物の改修により地域食材レストラン“火の食堂”、新築工事として水辺に立つ農産物直売所“水の市場”が誕生。

 

火の食堂ではコンセプトを反映したインテリアが特徴。中でも中央に自然木を配置したテーブルは圧巻。石釜から香る焼きたてパンの香りや食堂のかまど炊きなど垣間見える調理の雰囲気もいいです。

 

新たに建築された、水の市場は文字通り隣の池を見ながら地域の特産物を購入することができまる木造の大型建築で人に寄り添った温かみのある建築です。

 

これらに合わせて、BBQエリアとして“炎の囲炉裏”やこれらを含んだ芝生広場など建物周辺も合わせてリニューアルされています。野生の醍醐味を体感できる仕掛けが随所にあり、ゆったりと過ごすことが出来そうです。

 

このリニューアル整備で来場者数は大きく伸びてきましたが、さらに宿泊につながる仕組みづくりが必要と、都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、今年度中のオープンを目指した宿泊施設 (グランピング等)の整備も行われてました。

 

同公園は再整備にて、遊んで食べて学べる、子どもから大人まで一日中楽しめる施設になりました。周辺には伊太祈曽神社、世界遺産に続く熊野古道などがあり、文化財や観光資源に恵まれています。地域全体が大きな観光拠点となり、地域の人に愛され、発展する道の駅に育っていくことも期待されています。

 

今回、四季の郷公園に触れて、こうした事業の建築・運営も“モノ”のデザインから“コト”のデザインに変化してきていることも実感しました。

 

鯖江市のまちなか公園である西山公園や道の駅も含めた区域は、中心市街地と連携して活性化を図るエリア。今後一層の発展を図っていくための西山公園および道の駅の再整備や事業実施の考え方やその手法などについて、今回の研修は貴重な参考となる学びと気づきの機会となりました。大変お世話になりました関係各位に心から感謝いたします。